誰が一番偉いか④

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2025.10.23
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 9章
放送日
2025.10.23

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。今週は聖書のルカ福音書9章から学びます。弟子たちが「誰が一番偉いか」という議論を始めたことを、イエス様が心の内を見抜かれたことが記されています。
実はこの「誰が一番偉いか」ということばは、「どこが一番偉いか」と訳したほうが良いと解釈する見方があります。つまり弟子たちの中で自分たちがどこの出身なのかを誇りあったということです。イスラエル12部族のどの部族から出ているか、それが彼らのプライドでした。また神殿のあるユダヤの国の中心都市エルサレムの近くの出身であるならば、それも彼らの比較をくすぐるポイントでした。田舎者が馬鹿にされる風潮があります。できるだけ都会に生まれた方が、人間としてのランクが上かのような言い方がされます。そして今、世界でも日本でもどの人種が1番優れているのかという闘いが世界を席巻しています。ある人種を差別し、自分の優位性を誇ろうとする。あまりにも悲しいことです。
するとイエス様は一人の子どもの手を取って、自分の側に立たせられました。そして言われます。「だれでも、このような子どもを、わたしの名のゆえに受け入れる人は、わたしを受け入れるのです」なぜ子どもだったのでしょうか。当時のユダヤ民族で「子ども」は、人口を数える時も数えられず「価値のない存在」として扱われていました。一人前の大人になるまでは、子どもの相手をするのは奴隷や女性であって、大の大人の男の側に子どもが立つことなどほとんどありませんでした。文字通り、子どもは「小さい」存在でした。イエス様は「価値のないもの」とされているものこそ、「偉い」のだと言われたのです。
ここで一気に「誰が偉いか」「誰が最も大切にされるべきか」と自分たちに向いていた目が、社会に向かって向けられたのです。この世界の「価値のない」とされている存在を見よと。ここでイエス様が伝えられたい一番のことは、「あなた方のなかに偉い人などはいない」という宣言です。そしてイエス様はおっしゃいました。「あなたがた皆の中で一番小さい者が、一番偉いのです」この物差しで神様は人をご覧になっているのです。どこで生まれたのか、何ができるのかというところに神様の物差しはありません。一番小さいところに一番の偉さがあると語られるイエス様は、小さな私たちにとってどれほどの慰めなのでしょうか。

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