「世の光」の時間です。福井誠です。しばらくぶりですが、リスナーの皆さんお変わりございませんか。今週は私、福井が担当します。一週間を通して、あなたの心に届く聖書のことばをお伝えできればと願っています。
さて、今日は「あなたが知るために」というテーマでお話しをします。まず、聖書のことばをお読みします。
「すると見よ。人々が中風の人を床に寝かせたまま、みもとに運んで来た。イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に『子よ、しっかりしなさい。あなたの罪は赦された』と言われた」新約聖書のマタイの福音書9章２節
「中風」とは、現代のことばで言えば、脳卒中の後遺症で体が動かなくなる状態のことです。たとえば、手足が動かなくなったり、うまく話せなくなったりします。
病気は「家が燃える火事」、障害は「火事の焼け跡」と表現されることがあります。つまり、病気は治せても、障害は完全に元通りになるとは限らないのです。私は以前、リハビリの仕事をしていました。その経験から、この聖書のことばを読むと、単なる奇跡の物語ではない、「生きる力を回復させた話」だと思うことがあります。キリスト・イエスは「足が治るように」とは言わず、「あなたの罪は赦された」と語りました。つまりこの人は、体が動かないだけではなく、心にも重いものを抱えていたのかもしれません。イエスは、その心の重さに目を向けて、それを取り除いてくださったのです。だからこそ、この人も「もう生きる価値がない、こんな体ではだめだ」と思うのをやめて、前に進もうと立ち上がったのではないでしょうか。
赦しとは、過去をなかったことにするのではなく、もう一度立ち上がる力を受け取ることです。人の心の重荷を取り除くイエスは、今も同じように、私たちに向かい合っておられます。イエスを信じて新しい人生の一歩を踏み出してみませんか。