「世の光」の時間です。今週は、福井誠が担当しています。今日もマタイの福音書を開いてまいりましょう。聖書を継続して読むことで、その深さと恵みを自然に味わうことができます。今日は「イエスはあなたの悩みを担う」というテーマでお話しをします。まず、新約聖書マタイの福音書8章17節をお読みします。

「彼は私たちのわずらいを担い、私たちの病を負った」

私たちは人生の中で不安に襲われることがあります。受験、就職、友人関係、病や死、そして将来への漠然とした心配、こうした悩みは誰にでもあります。そんな時にこそ、この聖書のことばを心に刻んで欲しいのです。
このことばは、旧約聖書のイザヤ書53章に書かれた預言が実現したことを示しています。イザヤ書には、救い主が人々の痛みや罪を引き受けると記されています。ここでいう「病」や「痛み」は、身体の病気だけではなく、心の傷や人生の苦しみも含まれています。
私たちの周囲には、人の悩みに寄り添おうとする優しい人がいるものです。励ましてくれる友人や支えてくれる家族。しかし、どれほど親しい関係でも、すべての痛みを背負うことはできません。「助けてあげたい」と思っても、どうすることもできない現実があります。その結果、悩みを抱える人は「誰にも理解されない」と感じ、一人で苦しむこともあります。
しかし、イエスは違います。マタイは預言者イザヤのことばを引用してイエスはすべての人の痛みを知り、受け止めることができる方だ、そして実際にそうだった、と言うのです。もし今、あなたが人知れず悩んでいることがあるなら、その思いを祈りによってイエスに打ち明けてみてはどうでしょうか。試練は、神のことばの真実さを味わう機会です。心穏やかにされる神の祝福がありますように。