「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。福井誠です。しばらくぶりですが、リスナーの皆様、お変わりございませんか。今週一週間は、福井が担当します。聖書があなたの身近な世界となることを願っています。今日は「あなたに向けられた神の愛」というテーマでお話をします。では、新約聖書マタイの福音書8章3節をお読みします。

「イエスは手を伸ばして彼にさわり、『わたしの心だ。きよくなれ』と言われた。すると、すぐに彼のツァラアトはきよめられた」

昔のイスラエルでは、ツァラアトと呼ばれる病気にかかった人は、「汚れている」と考えられ、町の外に追いやられていました。人々は彼らを避け、距離を置きました。しかし、イエスは違いました。病を抱え、助けを求めるその人に、手を伸ばし、触れ、癒やしたのです。このエピソードは、単に不治の病が癒された奇跡を伝えているのではありません。社会から疎外されていた人に、「私はあなたを拒まない。あなたは価値ある存在だ」と関わる神の愛を語っているのです。
私たちも日常生活の中で孤独や疎外感を覚えることがあります。時には、私たちの思い込みが原因の場合もありますが、現実にそのような状況に置かれることもあるでしょう。友人と話していてもどこか馴染めなかったり、SNSを見て「自分の人生は十分ではない」と感じたりすることもあるかもしれません。
そんな時こそ、イエスの行動を思い出してください。過去の失敗や置かれた状況がどうであれ、受け入れ、愛されたイエスの様々なエピソードです。傷ついたり、心が沈んだりする時も、神はそっと手を伸ばして支えてくださるのです。
マタイは読者に「あなたに向けられている神の愛を知り、安心して人生を歩んでほしい」と願うところがあったと思われます。あなたは、一人ではありません。神の愛を信じるあなたが、神の祝福に満ち溢れますようにと祈ります。