「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか。板倉邦雄です。
今日は「ただ一つの事を知っている」という題でお話ししましょう。この世界はたくさんの情報で溢れています。しかし、私たちの人生で知らなくてはならないものはそんなに多くはないのです。知らなくてはならないことは、それは一つです。神が唯一である、ということではないでしょうか。ヨハネ福音書9章24～27節です。
さて、ユダヤ人当局者は、もう1度生まれつき目が見えなかった人を呼んで尋問することになりました。「兄弟よ、神に栄光を帰すがよい。本当のことを言ってくれ。あの人、イエスが罪人であることは、私たちには分かっている」すると彼は言いました。「あの人が罪人であるかどうか、私は知りません。ただ、一つのことだけ知っています。私は生まれつき目が見えませんでしたが、今は見える、ということです」。
この一つの出来事は事実であり、否定できない現実でした。つい先の尋問の時に、「お前の目を開けてくれた人を、どう思うか」を聞かれたので、彼は「神の預言者だと思います」と率直に証言しました。しかし、その証言は、ユダヤ当局者には何の役にも立たなかったようです。ですから、再度の呼び出しの取り調べでは、皮肉を込めて事実そのものを提示したのではないでしょうか。自分たちの説得と尋問に動じないこの男性に、ユダヤ当局者は屈辱を感じたことでしょう。自分たちの思い通りのことを言わせたいのですが、そうはなりませんでした。
そこで性懲りもなく再度尋問し、自分たちの首を絞めることになります。「もう1度尋ねる。その人はお前に何をしたのか。どんなにしてお前の目を開けたのか」彼は答えました。「そのことはもう話してあげたのに、あなたがたは聞いてくれませんでした。どうしてまた聞くのですか。あなたがたも、あの人の弟子になりたいのですか」ここに一つの事実を知り、経験した人の自由があるのではないでしょうか。目の見ない人がイエス様によって見えるようになった、という真理です。イエス様のことばを思い出します。「真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」口語訳聖書ヨハネの福音書8章32節です。
人を恐れる束縛から、この人は自由になりました。真理であるイエス様に出会い、信じ従ったからです。