「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。今週、番組を担当する、愛知県春日井市にあります、春日井聖書教会・協力牧師の水谷潔です。
今週は新約聖書、ルカの福音書10章の38節から42節が記すマルタとマリアの物語から、４回にわたってお話をしていますが、今日は二回目です。イエス・キリストの一行が、マリアとマルタという姉妹の家を訪れます。マルタは、もてなしを始めますが、マリアは、イエス様の足もとに座り、そのことばに聞き入っていました。
ところが、マルタは、忙しさの中、マリアがもてなしをしないことに苛立ちます。そして自分にだけがもてなしをするという不公平を注意しようとしないイエス様に怒りをぶつけます。その怒りの訴えを受けて、イエス様は答えます。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。しかし、必要なことは一つだけです。マリアはその良いほうを選びました」。
マルタとマリアの性格は正反対のようですが、イエス様は二人の性格の違いについては触れていません。「マリアはその良いほうを選びました」と二人の選択の違いを指摘しています。マルタが選んだもてなしは立派な愛の行動でしょう。しかし、マリアが選んだ愛の関係は、さらに良いものでした。イエス様はそれを必要な一つだけのことだとおっしゃっています。
マルタとマリアの物語は、私たちに愛の行動か愛の関係かの選択を考えさせます。愛する誰かに何かをすることと、ただそばにいて話を聞くことのどちらを選ぶかを問いかけます。私たち現代人は、何かをすることばかりに価値を見出し、マルタの選択一辺倒になりがちなのではないでしょうか。その一方で、近くに寄り添い、話を聞くことが少ないのではないでしょうか。
ラジオの前のあなたは、大切な人の声を聞いているでしょうか。その人は、あなたに何かをしてもらうより、そばにいて、話を聞いて欲しいのかもしれません。愛の行動は尊いものです。しかし、聖書は、それに勝るものとして、愛の関係を私たちに示します。
イエス様のことばを受けて、大切な人のために、そばにいて、話を聞いてみませんか。愛の行動だけではなく、愛の関係を大切にして、幸せな人間関係を築いてみてはどうでしょうか。