「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。川崎にある菅生キリスト教会の牧師、中山信児です。
今週は、新約聖書ルカの福音書に記された、神をたたえる賛歌をご紹介しています。
イエス・キリストの母マリアは主なる神に向かって「主はその御腕で力強いわざを行い、心の思いの高ぶる者を追い散らされました」と歌いました。
いつの時代、どの国にも、高い地位にある者が低い立場の者を軽んじ、押さえつけることがありました。
聖書は、高い地位に就くことや富むことが悪いと言っているのではありません。神は愛する者を祝福して、その人に富や力や立場を与えることがあります。旧約聖書にでてくるアブラハムやダビデも、神に愛され祝福を受けた人たちでした。
聖書が非難しているのは「心の思いの高ぶる者」です。神の祝福を受けた者が高ぶって、弱い人を虐げたり、富やチャンスを独り占めしようするなら、神の愛は離れて、彼らは追い散らされるでしょう。
マリアは、神が「権力のある者を王位から引き降ろし、低い者を高く引き上げられました」と歌いました。神は天の高みからこの世界のすみずみにその目を注いでおられます。高ぶる者が権力を握って悪を行うことがあっても、それはひと時であって、そのような時代が長く続くことはありません。今、つらい思いをしている人も、正しい心を持ち続けているなら、いつか神が引き上げてくださいます。
主なる神は力と愛と正義の神です。マリアは、救い主を宿すという御使いのお告げを聞いて、神の愛と正義の御業が行われることを確信しました。だから、まだ結末を見ないうちに「飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせずに追い返されました」とすでに終わったことのように、歌うことができたのです。
皆様の上に、神様の祝福が豊かにありますように。