あなたに分かってほしい

出演者
山本陽一郎
制作
PBA太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 不安や恐れを感じているとき
  • 一歩踏み出したいとき

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アップロード日
2023.06.05
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 1章
放送日
2023.06.05

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、山本陽一郎です。
明治時代のキリスト教思想家、内村鑑三はこう語りました。「日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。日本に欠けているのは『生きた確信』である。真理そのものを愛する『情熱』である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。」
今、この国は物質的な面では明らかに豊かになりました。しかし、120年前に内村が言ったような「生きた確信」は得られたのか。依然として「真理を愛する情熱」も「無限の歓喜と満足」も欠乏してはいないでしょうか。
次にご紹介するのは、紀元60年代にヨーロッパ地中海地方で書かれた文章です。「尊敬するテオフィロ様、あなたのために、順序立てて書いて差し上げるのがよいと思います。それによって、すでにお受けになった教えが確かであることを、あなたによく分かっていただきたいと思います。」
実はこれ、新約聖書「ルカの福音書」の冒頭の部分なのです。そう、ルカがテオフィロという高い地位にいた人物のために記した書物こそが、今、私たちが読める「ルカの福音書」なのです。テオフィロは、すでにキリストについて基本的なことを聞いていました。でも、まだ心が揺れていた。だから、ルカは確かな根拠があるこの福音をよく分かってほしいという一心で書いたのですね。
同時に、この「ルカの福音書」は、当時繁栄していたギリシヤ・ローマ文明の中で、霊的な必要を覚えていた多くの人々に読まれました。現代の日本社会も、物質的には豊かな一方で、多くの人が閉塞感や生きづらさを感じています。何が欠けているのか分からないまま、人は飢え渇いているのです。
そんな中で、ルカはイエス・キリストと出会いました。それはルカの人生を変えました。生きた確信、情熱、救いの喜びをルカは知りました。だから「あなたによく分かっていただきたい」と書かずにいられなかったのです。
「あなた」とは、テオフィロであり、そして、今を生きるあなたのことでもあります。あなたにもキリストをよく分かっていただきたいのです。

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