「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、山本陽一郎です。
これまで生きてきた中で、絶望を感じたり、もう人生に疲れたと感じたりした経験がある。そんな方はいらっしゃいますか。仕事や恋愛、健康や経済的なことなど、いろいろな要素があると思いますが、受けたショックが大きいと、どうしてもすぐ立ち直れない時もあるものです。
意外に思われるかもしれませんが、聖書にはけっこう落ち込んでいる人たちが出てきます。興味深いことに、復活されたキリストに出会う人たちは、みんな初めは落ち込んでいるんですね。数日前にあったイエス様の十字架の死がそれだけ大きかったわけです。でも、だからこそ、彼らには、それを超える希望が必要でした。本物の平安が必要でした。
復活されたイエス・キリストは、墓で泣いているマリアに優しく「マリア」と呼びかけました。絶望しながらエマオへ向かっていた弟子たちといっしょに歩き、聖書を解き明かし、食事をしました。「見なければ復活なんて信じない」と言い張っていたトマスにも会いに来て、「信じない者ではなく、信じる者になりなさい」と語りました。イエスなんか知らない、と言ってしまったペテロに、「わたしの羊を飼いなさい」と新しい使命を与えてくれました。
私たちは現実を前にして倒れます。悲しみや絶望に立ちすくみ、挫折の中でうずくまります。生きておられるイエス様を信じない、隣にいてくださるのに気づけない、そんな私たちです。
しかし！しかし！、復活されたイエス・キリストは、そんな私たち一人ひとりに会いに来てくださるのです。きれいなおとぎ話の世界からやって来られるのではなく、誰よりも人の悲しみを知り、裏切りにあい、憎しみに殺されたお方は、それらを超えて、死の力をも打ち破って来てくださるのです。そして、「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます。」と語りかけ、私たちに生きよと語ってくださる復活の主イエス・キリストです。この方が生きておられることこそ、私たちの希望なのです。
「この希望は失望に終わることがありません。」ローマ人への手紙5章5節