ルカの福音書-43

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2021.01.12
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 2章
放送日
2021.01.12

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 「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。ルカ福音書を順番に読んでいます。
 ルカ2章のところでは、12歳のイエス様が出てきます。聖書はイエス様の成長について「神と人とに愛された」と記されています。ここに私たちが、子どもたちを育てていくカギがあるのです。では、神と人に愛される子育てとはいかなることなのでしょうか。
 ユダヤ人はすべて、過越の祭りという大きな祭りの時に、エルサレム神殿に詣でることが求められました。当時のエルサレムの人口が五万人ぐらいだったと言われますが、過ぎ越しの祭の時には、十万人以上の人がつめ掛けて、大変な混雑になる時期でした。
 このイスラエルの習慣に従って、イエス様の父親ヨセフも、毎年エルサレムに出かけてきました。神殿に詣でることは、女性は義務ではありませんでしたが、この夫婦の信仰のあらわれるところであったのでしょう。マリアも一緒に出かけていたのです。
 イスラエルは、十三歳で成人とされました。十三歳になると、律法の子と呼ばれ、神の前で神のことばに従って生きていく時とみなされました。そして十三歳からは、毎年父親と一緒に、エルサレム神殿巡礼をし、父親と一緒に神殿の庭に入ることが許されました。そして実際には、十二歳で律法を守る予行演習が始まったのです。この夫婦は、エルサレム巡礼を来年の十三歳になるまでいいよと考えず、信仰を持って生きる人生を息子に早く歩んでほしいと願う、両親の熱い思いがあらわれているのです。
 私たちも、子どもたちに対する姿勢として、それまで子どもとして扱ってきたけれども、大人への変化を持つことは大切です。私たちは我が子が可愛いばかりに、子ども扱いしてしまうことがあるでしょう。しかし、子どもを一人の大人として、神様の前に押し出していく。そして問われるのは、どのように神と人に愛された子育てをしてきたかということが問われるのです。
 一方で、十三歳になるまでは、その子どもの信仰は親の守りの中で育つということです。ユダヤ人会堂でもまた、子どもたちは両親の間に座って、両親がその子どもが十三歳を迎えるときにいたるまで、その信仰をきちんと育んでいくことの責任を、両親には求められたのです。私たちは、子どもの成長を自分の手の中におかず、大人として神様の前へと背中を押していく。そんな子育てもまた、神様から教わっていくことを大切にしていきたいと思います。

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