「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。今日は「神はパウロの手によって」という題でお話しましょう。使徒の働き 19章の続きです。
　さて神は、パウロの手によって、異常な力あるわざを次々になされました。これを「力ある奇跡」と訳す聖書もあります。例えば次のようなことでした。
　人々がパウロの身につけている手ぬぐいや、前掛けを取って病人にあてると、その病気が除かれ悪霊が出ていったのです。パウロは、エペソでも神の国を語らない時は、腰に前掛けをかけ、手ぬぐいをつけて天幕作りをしていました。仕事で汚れた前掛けや手ぬぐいまでも、苦しんでいる病人を癒したのです。
　これが、異常な神の力ではなくて何でしょうか。パウロは働きながら「傍(はた)を楽にして」あげたのですね。「働く」とは、自分とともに周りの人を助け、養い、楽にしてあげることです。このご時世、医療従事者の方々に心から感謝します。
　さて、これを目撃した不埒なユダヤ人のまじない師で、諸国を遍歴している輩が、悪霊につかれている者に向かって「主イエスの名」を唱え、「パウロの宣べ伝えているイエスによって命じる。出ていけ。」と、試しに言ってみたのです。すると、悪霊がこれに対して、「イエスなら自分は知っている。パウロもわかっている。だが、おまえたちは、いったい何者だ。」そして、悪霊につかれている人が彼らに飛びかかり、みんなを押し付け、殴り倒し、彼らは傷を負い、裸のまま帰ったのです。神のひとり子「イエス」の名を信じる者は、悪い霊を支配し、怖がることはないのです。逆に、まじないや占いの霊に支配されている人々は、悪霊を支配することはできません。
　エペソに住む人々は、ユダヤ人でまじない師をしている者たちのことを知らされ、恐怖に襲われ、主イエスの名をあがめました。それから、魔術を行っていた多くの者たちが、魔術の本を持ち出してきては、みんなの前で焼き捨てたのです。その値段を総計したところ、銀5万、約1000万円にも上ることがわかりました。
　天地万物の創造主である全知全能の神は、現代においても、私たちの手によって力あるわざを成し遂げてくださるのです。病める人に手当てをしたり、悪霊の言葉によって支配されている心に、神のことばを施し、解放することができるのです。