ルカの福音書25-神の言葉と自分をつなぎ合わせる

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.07.23
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 章
放送日
2020.07.23

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。
 ルカ福音書を順番に読んでいます。羊飼いが、マリアとヨセフの夫婦のところにやって来て、天使が野原で自分たちに告げたことを伝えました。すると、「マリアは、これらのことをすべて心に納めて、思いを巡らしていた。」とあります。
「心に納め」という言葉は、継続する意味があります。一つ一つを丁寧に心に納め続けていた。「心に納め」という「納める」という言葉は、「物を守る」や「大事な番をする、完全に守る」という意味があります。マリアは、自分の人生に起こった出来事を、心の中にしっかりと「番」をして守り続けたのです。しかも、いいかげんにほっぽり出さずに、また心の机の引き出しの奥底に入れておいたのではなく、そこから取り出しながら「思いを巡らした」のです。
 「思いを巡らす」という言葉の意味は元々、「二つのものをいっしょに投げる」という意味があります。そこから派生して、「二つのものを比較・検討する」という意味となり、「推論する・解釈する」という意味として用いられてきました。
 つまりマリアは、自分が今まで体験してきたことを、聞いたことをすべて心の中に守りながら、「あれとこれは、どうつながるのか」と考えたのです。すなわち「私が見て来たこと、体験してきたことの意味は、神様のまなざしや神様の計画と、どのように組み合わされるのかと推論して解釈する」という仕方で、マリアは心の中に納めていたのです。
 この箇所を「考え合わせる」と訳した聖書の翻訳がありますが、つまり、「自分の考え」と「神様の考え」を合わせて考えた。「神のことば」と「私たちの現実」をつなぎ合わせるという時間をマリアは持ったのです。
 マリアに起こった出来事は、あまりにも衝撃的で、あまりにも怒涛の連続の出来事でした。突然の御使いガブリエルの訪問から始まって、自分が聖霊によってみごもっている。そのようなことばを聞き、夫婦二人の貧しく寂しい旅、宿屋には居場所がなく、家畜小屋で息子を産むという悲しさ。これらの出来事は、一年前にヨセフと結婚を夢見ていた自分が、思い描いた人生とは、まったく違う人生が始まっていたのです。
 私たちは、「心に納め、思いを巡らす」という時間を意識的に持とうとしないと、私たちの生活は、忙しさの中で流されていきます。このラジオを聴く時間はきっとそうでしょう。立ち止まる時間になっているはずです。「神のことば」と「自分の生活」をつなぎ合わせる時間。その時間こそ、あなたの生活を本当に豊かに潤す時間となっていきます。

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