グンゼの創業者 波多野鶴吉 2
- 出演者
- 岩井基雄
- 制作
- PBA 太平洋放送協会
- 再生時間
- 5min
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- アップロード日
- 2020.06.29
- カテゴリ
- 人物・人生
- 放送日
- 2020.06.29
波多野鶴吉は大庄屋の二男として生まれ、八歳で羽多野家に養子入籍しまし た。学生時代には遊興にふけり、事業も起こしましたが次々と失敗、失意のう ちに故郷へ帰ります。故郷で小学校の教員として再出発した鶴吉は、養蚕農家 の子どもの劣悪な環境を見て、養蚕業組合の組合長に就任します。そして技術 者の養成に取り組んだのです。
苦悩の中、聖書に触れクリスチャンとなります。そしてグンゼ製紙株式会社 を設立し、神と人の前に誠実を尽くし続けたのです。鶴吉は「良き木は良き実 を結ぶ」という聖書のことばから、人間を尊重し、良き実を結ぶための社員教 育を行いました。従業員を愛し、神にある成長を願って導き続けたのです。
ある時、安田財閥の安田善次郎が、破綻に瀕した銀行の救済のため、同行の 最大融資先の一つ、グンゼに立ち寄りました。安田は鶴吉と出会い、極めて少 ない担保で莫大な融資を受けていることを問いただしたのです。鶴吉は「当社 には高い設備などはないが帳簿には載っていない、すばらしい従業員が多くお り、これこそが当社の最大の資産である」と答えました。金融家の安田に「人 を資産として見よ」と促したのです。この鶴吉の姿勢と率直さに安田は感銘を 受け、その場で、新たな担保をとらずに融資継続を決定しました。社員を愛し て止まない、キリスト者鶴吉の姿をそこに見たのです。
また鶴吉は、シルクが活況な時期に、合成繊維の登場とその影響を予見し、 次の策を模索しました。鶴吉は会社の儲けよりも、いかに社員を守り、社会に 貢献すべきかを問い、行動したのです。柔軟な心で物事を考え、人を愛し、社 会に仕え、神に喜ばれる歩みを貫く鶴吉の信仰の姿勢が、その基盤にありまし た。「会社の精神は愛、何よりも大切なのは人」と鶴吉は語り続けたのです。
聖書のことば「兄弟愛をもって互いに愛し合い、互いに相手をすぐれた者と して尊敬し合いなさい。」
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