「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。今日は「筋 を通す」という題でお話ししましょう。「無理が通れば、道理引っ込む」という ことわざがあります。「道理を無視した事が、世間に通用するようになれば、道 理にかなったことは行われなくなってしまう」という意味ですね。しかし、こ の世は筋が通らないことばかりです。使徒の働き 16 章の続きです。
さて、ピリポの町を大地震が襲いました。夜が明けると、長官たちは、昨日 ひっ捕らえたパウロとシラスを釈放するように、牢獄の看守に伝えました。看 守はパウロとシラスに伝えました。「長官があなた方を釈放させるように使いを よこしました。さあ、釈放です。無事にお帰り下さい。」
ところがパウロは、長官の使者たちに言いました。「あなた方の上司である長 官たちは、ローマ市民権を持っている私たちを、正式な訴えもなく、裁判もか けないで、公衆の面前でむちで打ち叩いたあげく、牢獄に入れてしまいました。 しかるに、今になって、ひそかに私たちを釈放するとは何ごとであるか。それ は筋が通らぬことではないのか。長官たち自身がここに来て私たちを釈放すべ きではないのか。」
長官たちの使いは、このパウロの言葉を長官たちに報告しました。すると長 官たちは、二人がローマ人だと聞いて恐れました。二人に不当な扱いを受けた と正式に訴えられたら、自分たちの首が危なくなるからです。急いで二人のと ころに自分たちでやってきて謝罪し、詫びを入れたうえ、二人を牢獄から連れ 出し、釈放しました。そして町から立ち去るように頼み込んだのです。二人は 獄を出ると、信者のリディアの家に行き、信徒たちに会って信仰にとどまるよ うに勧めてから出かけました。
この世は「約束は破るためにある」などと言う人がいます。また、後出しジ ャンケンをする人もいます。あるいは、私がルールだと言って無理を通す人が いますね。そのような中で、パウロとシラスは筋を通しました。
憲法や法律や条令は私たちを守るためにあるものです。この世界が秩序正し くあることによって、私たちが平和で穏やかな生活を過ごすために、神様が立 てられた制度です。聖書はこのような意味のことばを言っています。「私たちの 神は混乱の神ではなく、秩序の神です。」