「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。今日は「金 の亡者たち」という題でお話ししましょう。お金の道具としてこき使われてい た女性と、人を「金の道具」としてしか見ない、金の亡者たちのお話しです。 使徒の働き 16 章です。
さて、ある日パウロ一行が川のほとりの祈りの場へ行く途中でした。占いの 霊に取り憑かれた女奴隷に会ったのです。彼女は占いをして、自分の主人たち に多くの利益を得させていました。この女性は、占いの霊に縛られていただけ ではありません。複数のご主人様の奴隷として、ご主人様たちの金儲けの道具 としてこき使われていました。私たち一人一人は、男性も女性も独立した人間 として、まことの神様と人々の前に立つ者です。占いの霊や人に支配されて奴 隷となってはならないはずですね。
ところが、この女性がパウロ一行の後についてきては、「この人たちはいと高 き神のしもべたちで、あなたがたに救いの道を伝える方だ」と、幾日も幾日も 叫び続けたのです。パウロは困り果てて、彼女の占いの霊に向かい、「イエス・ キリストの名によって命じる。その女から出て行け」と言ったので、その瞬間 に占いの霊は、女性から出て行ってしまいました。
頭にきたのは彼女の主人たちでした。自分たちの利益を得る望みが絶たれた からです。金儲けの手段がなくなってしまいました。占いの霊力のなくなった 女性など、何の価値もなくなってしまいました。主人たちは、ゴミくずのよう に女性を捨ててしまったのです。そして怒りの矛先は、パウロとシラスに向か いました。二人を捕まえて役人に引き渡すため、広場へ引きずっていきました。 そして、二人を行政長官たちの前に連行して訴えたのです。
長官たちは、二人の上着を剥ぎ取り、鞭打ちをしたのです。そして二人を獄 に入れるよう命じました。牢獄の看守は、二人の足に足かせをしっかりとかけ ました。
この世は、悪い霊や人たちに支配され、縛られている人と、金のために縛ら れ、金の亡者となっている人たちがいるのではないでしょうか。しかし、救い 主イエス・キリストだけが、私たちを悪しき霊から解放し、人の目から自由に し、金の亡者からも自由にして下さるのです。