「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか。関根弘興です。
今週は、旧約聖書の箴言のことばを紹介しましょう。箴言とは、人生の教訓を含んだ短いことばのことです。聖書の箴言の大半は、古代のイスラエルの王様であったソロモンが作ったとされています。なんと彼は三千もの箴言を語り、その知恵は世界中にとどろいたと記されているんですね。
この箴言の中には、いろいろな物事を対比しながら語る格言や、自分の経験を通して学んだ教え、人としてあるべき生き方、また、逆に、避けなければならない行いなど、様々なことが書かれています。つまり、箴言は、私たちの人生における知恵の学校のような書物なのですね。もしお手元に旧約聖書があれば、箴言は31章から成り立っていますので、毎日の日付に従って読んでいくのもいいですよね。そこで、今日は、この箴言の根底にある全体の主題ともいうべきことばを紹介しましょう。それは、箴言1章7節。「主を恐れることは知識の初め。愚か者は知恵と訓戒を蔑む」つまり、私たちが人生を歩む上で大切な知識や知恵の土台は、「神様を恐れること」から始まるんですよ、というのですよ。不思議なことばですよね。このことばは、よくミッション・スクールなどの学校の校訓としても掲げられることがあるんですけど、学校の校訓としてだけではなくて、私たちの心にも刻み込まれるべき大切なことばであるということを知っていただきたいのです。
さて、私たちは、いろいろなことを恐れます。病を恐れます。大切なものが失われたり、危害が加えられたりすることを恐れます。災害を恐れますよね。自分の生活を脅かすものを私たちは恐れるんです。恐れというのは、人間が生きている限り持つ感情のひとつです。でも、この箴言にある主を恐れる、と訳されるこの「恐れ」とは、神様を怖がって恐怖に感じ、ぶるぶると震えることではありません。「主を恐れる」ということは、神様は私たち人間とまったく区別されるべきお方なんですよということをまず知ることなのです。旧約聖書の創世記１章１節には「はじめに神が天と地を創造された」とあります。聖書の神様は、すべてのものを造られたお方です。ですから、私たちも造られた存在ですよね。だから、人は、私たちにいのちを与え、私たちを形造られた方を恐れ敬うこと、そこに、生き方のスタートがあると教えているのです。