「世の光」の時間です。広島市にある広島福音自由教会、牧師の北野献慈です。
「やめられない、とまらない」。子どもの頃から大好きだった「スナック菓子」のキャッチフレーズです。袋を開けたら最後、気づけば空っぽ。そんな経験、ありませんか。
私は中学時代にキリスト教の信仰を持ってから45年になりますが、神様に愛されていると知って生きる人生は、少しそれに似ている感じがします。一度、その「味」を知るとやめられない。生きる力がふっと湧いてくる、そんな人生です。
大学生の時に、いわゆる「燃え尽き」のような状態になったことがありました。学業にアルバイト、体育会のクラブ、教会の活動など、いろんなことに充実して励んでいましたが、ある日、ふっと糸が切れたように動けなくなってしまったのです。
夜になってコンビニへ行き、戻って一人でアパートで食事。今までは、そこそこ自分に自信を持って生きてきたつもりでしたが、「自分は最低だ」「周りもそう思っているに違いない」と決めつけ、底なし沼に沈むような日々が続きました。
そんな時、一つの聖書のことばが心に浮かんできました。イザヤ書43章4節「わたしの目にはあなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」。よく知っていたことばでしたが、この時ほど心に響いたことはありません。
何もできなくなった私をも、価値ある存在として見てくれる眼差し。その一言が、沈みかけた心に足場をつくってくれました。「もう一度やり直してみよう」そう思えると同時に、心に気力がよみがえってきたのです。この期間は、とても長く感じられましたが、幸いにも1週間ほどの出来事でした。これまでの人生で神様の愛は、私を何度も立ち上がらせてくれました。
皆さん、聖書によれば、神様は、あなたのことも、心から愛していると語っています。もし今、あなたが自分を好きになれなくても、周りの評価がどうであっても、誰よりもあなたをよく知る方の眼差しは、決して変わりません。あなたはかけがえのない存在で、愛されていると。
神様の愛を知る人生は、「やめられない、とまらない」人生です。あなたが、その一口目を味わわれることを心から願っています。