「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。今週は聖書のルカ福音書8章から、長血という女性特有の病気にかかった女性の病が癒やされた箇所を学んでいきます。
彼女は「イエス様の衣の裾に触ることが出来たら、自分の病気は癒やされる」そう信じて群衆に紛れて、イエス様の近くにまで行きました。そしてイエス様の衣の裾にふれたその時、完全に彼女の病気は癒やされたのです。
しかしここで物語は終わりませんでした。イエス様が「わたしにさわったのは、だれですか」と言われたのです。隠れるようにしゃがみながら近づいた彼女の上の方から、イエス様の声が聞こえてきた時、彼女はどきっとしたでしょう。しかし尚もまわりには沢山の人がいて、皆口々に「自分ではない」と言っています。弟子のペテロも「大勢の人たちが、あなたを囲んで押し合っています。到底わかるはずもありませんよ」と言う声も聞こえてきたでしょう。しかもこの時、別の病気で死が迫っている子どもの癒やしをイエス様に求める人が現れて、差し迫った時でした。「イエス様、早く我が家に来てください」イエス様を急がせる、焦らせる声も聞こえていました。彼女はここで逃げ切れると思ったでしょう。
しかしイエス様は言われました。「だれかがわたしにさわりました。わたし自身、自分から力が出て行くのを感じました」もうこの時イエス様の目には一人の女性が目に入っていたでしょう。彼女を放ってここから別の病人の家に行くことは出来ませんでした。自分を求めて、勇気を持ってやってきた彼女と向き合い、彼女と交わりを持ち、彼女の信仰の告白へと至るために、イエス様は彼女のことばを待たれたのです。イエス様は彼女が名乗り出てくるのを待たれました。
イエス様は私たちのことばを待っていてくださる方です。もちろん病気の癒やしは彼女の何より求めていることでした。しかし病気の癒やし以上に彼女の深いところにある求めは、神との出会いでした。キリストへの信仰が彼女には必要だったのです。イエス様は今日もあなたがイエス様の前に名乗り出てくるのを待っておられます。時間をかけていただいても構いません。イエス様はあなたのことを、あなたのことばを待っていてくださいますから。