「世の光」の時間です。日本キリスト合同教会の教師で、お茶の水聖書学院の大井満です。
もうずいぶん前の年末、夏に天に召された方の遺骨を教会の墓地に納めてきました。その時、愛する夫を失った奥様がこういうことをおっしゃっていたことを思い出します。
「実は、夫を亡くしてしばらくしてから、友だちと会いました。彼女に『お元気ですか？』と聞いたら、『全然元気じゃないのよ。夫が亡くなったのよ』とおっしゃったので、『私も夫を亡くしたのよ』と言いました。そうしたら友だちが『嘘でしょう？全然そうは見えないわね。とても元気そうに見えるわ』と言うので、『実はわたしはクリスチャンで、神様が与えて下さる平安があるから元気なのよ』」と証しをすることができたのです。
新約聖書のヨハネの福音書16章33節に､こういうことばがあります。「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました」。
十字架の死を目前に控えたイエス・キリストのおことばです。ご自分が十字架で死ぬことによって、とんでもない困難に直面するであろう弟子たちに対して語られたおことばです。イエス・キリストご自身にも十字架という大きな試練が待っているわけですが､イエス様は「わたしはすでに世に勝ちました」とおっしゃり、死を超えた復活と、永遠のいのちがあることを､宣言してくださっているのです。
もうすぐ2025年を迎えます。2025年というのはふつう西暦と呼ばれる年の数え方です。紀元後を意味するA.D.は、実はラテン語で、「我らの主の年」を意味しています。つまり私たちの主である救い主イエス・キリストが支配しておられるという意味です。
先ほどの女性のように、普通に考えれば、夫を失うという困難の中にあったこの方が、平安を持って生きていけるのは、世界に勝っておられ､世界を支配しておられる主イエス・キリストにすべてをゆだねておられるからです。
あなたも、新しい年、主イエス・キリストにすべてを明け渡し、平安を満たしていただいて歩みませんか。その歩みを今日から始めませんか。