空気~私達を囲み生かすめぐみ~

出演者
井本祐介
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2025.10.09
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[旧約聖書] 伝道者の書 1章2節
放送日
2025.10.09

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「世の光」の時間です。東京都羽村市にある、おざく台教会の牧師、井本祐介です。平日は、中学と高校で理科の教師もしています。
最初に聖書のことばを読みます。旧約聖書 伝道者の書1章2節「空の空。すべては空」
突然ですが、⼿で顔を扇いでみてください。少しだけ空気が頬に当たるのを感じるかと思います。空気は、窒素が8割、酸素が2割、ほんの少しの⼆酸化炭素や⽔蒸気の粒が含まれ、1リットルあたり1.2グラムほどです。富⼠⼭の上では空気が三分の⼆ほどしかないので息苦しくなり、宇宙では空気がなく⽣きていけません。⽬には⾒えない空気ですが、私たちを囲み、私たちを⽣かしているのです。
今お読みした聖書のことばには、「空の空。すべては空」とありました。空とは、ヘブライ語で「ヘベル」ということばで、蒸気や空気、煙を意味し、掴めない、捉えられない、という意味です。伝道者の書では、それを⼈の⼀⽣に重ね、掴めず、捉えきれず、ままならないものとして、描いています。
私たちの毎⽇は、順調なときもありますが、まるで空気のように、掴み難い、捉えがたい、理解しがたい出来事がたくさんあります。どうして、なぜ、虚しい、そう思ってしまうこともあるかと思います。
だからこそ、この伝道者の書に学びたいのです。⼈⽣のむなしさだけを、表したければ、ただ、むなしい、むなしいと、書けばいい。けれど、伝道者の書は、そこにあえて「ヘベル」ということばを使っています。
空気がそうであるように、⽬で⾒えないことや⼿で掴めないことと、存在しないこととは、全く違うからです。
伝道者の書では、ままならず、むなしさを感じる⽇々の中にも、天からの賜物‧めぐみは確かにあるのだと語ります。
⾒えず、掴めない空気が、私たちを囲み⽣かしているように、ままならないことが多い⽇々の中にあっても、天からの恵みは私たちを囲み、今⽇も私たちは確かに⽣かされている。そう言いたいのです。
もちろん毎⽇をコントロールしようとする意識は⼤切です。けれども、時に⽴ち⽌まり、私たちを⽣かすために、⽇々与えられている恵みにもどうぞ⽬を向けてみてください。私たちは、愛され、与えられ、⽣かされている、その感覚も⼤切にしたいのです。

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