台風の接近の中で

制作
PBA太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 不安や恐れを感じているとき
  • 元気をもらいたいとき

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アップロード日
2023.10.06
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マタイの福音書 28章20節
放送日
2023.10.06

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「世の光」の時間です。お元気でお過ごしですか。インマヌエル桂町キリスト教会の矢木良雄です。
9月、10月は台風のシーズンでもあります。最近の台風は荒っぽくて、大きな被害をまき散らしていきます。
台風で思い出すのは、長く小学校教員を務められた児童文学者の灰谷健次郎さんです。子どもたちの詩を集めた作品もあります。その中に、小学5年生の笹尾進くんの詩「今は台風の真っ最中」が載せられています。こんな出だしです。「今は台風の真っ最中/ぼくは台風が大好きだ/男らしいから/先生もきっと台風が好きだ/風速40メートルがなんだってんだ」。でも、強がっているすぐあとに、急に先生に手紙を書きたくなって、停電の中、ろうそくの明かりで手紙を書き始めます。今ごろ先生どうしているかなと。強がってみても、やっぱりちょっと不安で、心細いのです。それがちょっとひねって詩に表現されていて、心がほっこりします。
新約聖書のマタイの福音書、その締めくくりに復活されたイエス様のことばが書かれています。「見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます」福音書が書かれたのは紀元1世紀が終わろうとするころです。地中海世界に広がった教会、そしてクリスチャンたち。宣教の拡大とともに、困難な問題も重なっていきます。何よりも、当時の世界の統治者であったローマ帝国の圧迫、迫害はいよいよ勢いを増していきます。地域的な迫害や軋轢、衝突は日常茶飯事、どこにでもあったのです。息苦しい、暗さを増していく時代です。台風が近づきつつある、あるいは台風の真っ只中に置かれていた教会、クリスチャンたちでした。強がりは通用する世界ではありません。だからこそイエス様は語りかけてくださったのです。
イエス様と寝食をともにした弟子たちは一人、また一人と世を去って行きました。どれほど憧れても過ぎ去った福音書の時代に戻ることはできません。でも、イエス様は約束してくださいます。「いつも、これからも、わたしはあなたがたとともにいます」
今は、さまざまな意味で台風の接近を予感させる時代です。私たちも不安を感じたら、笹尾くんに倣って手紙を書いてみたいと思います。お祈りによって。

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