ガリラヤ湖の嵐

出演者
矢木良雄(インマヌエル桂町キリスト教会 牧師)
制作
PBA太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 不安や恐れを感じているとき

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アップロード日
2023.10.02
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マタイの福音書 8章
放送日
2023.10.02

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「世の光」の時間です。お元気でお過ごしですか。インマヌエル桂町キリスト教会の矢木良雄です。
10月に入りました。残暑も過ぎて、秋本番です。
新約聖書のマタイの福音書8章に書かれているのですが、イエス・キリストの弟子たちがガリラヤ湖という湖で突然の嵐に巻き込まれ、恐ろしさに叫び出したことが書かれています。「イエス様、助けてください。私たちは死んでしまいます」恐怖にかられた彼らの絶望感が伝わってきます。同じ出来事がマルコの福音書の4章にもあります。こちらはちょっとすねた表現になっています。「イエス様。私たちが死んでもかまわないのですか」さて、私ならどっちを口にするかちょっと考えさせられる箇所です。
大学生のころ、友人と東北旅行に行ったことがあります。10月の末でした。朝早く、十和田湖の湖で、手漕ぎボートを借りて湖に出ました。湖に浮かぶ半島は見事な紅葉です。
ところがです。何隻もの遊覧船が目覚めたように、観光客の待っている波止場に向かって一斉に動き始めたのです。調子に乗って沖合まで出ていた私たちは、遊覧船が立てる大波を右から、左から受けることになりました。横波を食らったら、ひとたまりもなくひっくり返ってしまいます。近づく大波に舳先を向けようと必死の格闘が続きました。どこまでも透き通る湖水をのぞき込みながら、水の冷たさに意識を失うのが先か、溺れていくのが先か、どっちだろうと、ほんとうに恐怖の体験でした。
イエス様の弟子たちがガリラヤ湖で嵐に遭う場面を読むたびに、十和田湖の出来事を思い出します。実際に湖に出て見ると、机に向かって聖書を読んでいるのとは全く違う体験があります。これがリアルな人生です。
私たちが「イエス様。助けてください」と言うにしても、「私たちが死んでも、かまわないのですか」と言うにしても、幸いなことに、イエス様は弟子たちの舟に乗り込んでくださったのです。そして「わたしだ。恐れることはない」と語りかけてくださいます。
「人生の海の嵐に」という讃美歌があります。よく私たちの生涯は大海原を渡る航海にたとえられます。私たちの人生という舟にも、イエス様が乗っていてくださいます。そして、「わたしだ。恐れることはない」と語りかけてくださいます。

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