「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか。山本陽一郎です。
いきなりですが、私は最近、あることでとても落ち込みました。「ああ、自分はなんて小さな存在なのだろう」と感じながら過ごしていました。
そんな時、ある方から相談がありました。彼はとても困っていました。その時、私は鮮やかな解決法を伝えることはできませんでしたが、話を聴き、一緒に考え、心を合わせて祈りました。すると、こう言ってくれたのです。「聴いてくれて本当にありがとうございました。祈りに支えられましたし、とても励まされました」と。でも、正直言って、私自身も彼に支えられ、励まされていたのです。
人は弱さがあるから支え合えるのではないでしょうか。スーパーマンだからとか、すごい力だからではなく、弱いからこそ共に生きられる。そして、神様の恵みに目が開かれていくのです。
あるホスピスで働く医師の方が、「最期の時を過ごす患者さんの苦しみをどうにかして和らげたい」と必死で勉強したそうです。でも、医療の現場では、それらもすべてを解決してはくれませんでした。長い間、無力感に苦しんだ果てに、この先生はようやく「無力で良いのだ」と気づいたといいます。本当に大事なのは、「患者さんの問題をすべて解決すること」ではなく、無力な自分を受け入れ、医者としてではなく一人の人間として、「患者さんに関わり続けること」である。そんな思いに至ったそうです。「たとえ無力でも、いや無力だからこそ、患者さんのことばをきちんと聴き、共に苦しみを味わおうとすることができるのだ」と述べておられました。
今、この話を聞いてくださっている方の中に、苦しんでいる方がおられるかもしれません。でも、それはあなただけではないのです。みんな弱さがあり、本当はみんな誰かに支えられているのです。そして、あなたも誰かを支えているのです。
新約聖書コリント人への手紙第二12章9節に、こんなことばがあります。「しかし主は、『わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである』と言われました。ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。」
人の強さではなく、弱さの中にこそ、イエス・キリストの力は現されるのです。