「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか。山本陽一郎です。
朝早く、こちらをまっすぐに見つめる視線を感じて、私は目を開けます。そこにちょこんと座っているのはわが家の猫たち。「おはよう」と声をかけると、嬉しそうな鳴き声で返事をします。顔を洗いに行けばすぐについて来るし、居間で過ごしていれば、ごろんとお腹を見せて甘えてきます。ふだん、人との関わりを通して私たちはいろいろなことを学びますが、わが家の人間たちは、猫と接することでも多くのことを教えられています。
そのうちの一つが、求める姿勢。たとえば、ごはんが欲しい時、猫たちはつぶらな瞳で私たち家族にそれとわかるように訴えてきます。甘えたい時も、こちらをじっと見つめて鳴いたり、何度も足に触れてきたりします。猫は人間と同じことばは話せませんが、自分の求めを伝えるその姿は、なんだか感心してしまうほど一途で、とてもシンプルなのです。
ふと、「私たち人間はどうかな」と考えさせられます。自分の思いを伝える努力もせず勝手に諦めてしまったり、気を遣いすぎたり、本当は求めているのに格好をつけていたりすることもあります。人に対して、そして誰より神様に対して、もっとまっすぐ、素直になって求めたらよいのではないか、と思わされるのです。
イエス・キリストはこう言われました。「求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見出します。たたきなさい。そうすれば開かれます。」マタイの福音書７章７節
イエス様は私たちに、お利口に振るまうことを望んでおられるのではなく、真っ直ぐ、一途に、シンプルに求めることを願っておられるのです。
猫は今日も可愛らしい声で甘えてきます。信頼してくれていることがよく分かります。忙しい時でも、「なあに？」と答えてあげたくなります。私のような人間でさえこうです。
それならば、十字架にかかられたほど私たちを愛してくださる主イエス様が、私たちの求めを受け止めてくださらないわけがありません。まっすぐに飛び込んでいけばよいのです。イエス・キリストに信頼し、そのことばに信頼すること、そこに私たちの勇気と希望、安心と慰めがあります。求めましょう。探しましょう。たたきましょう。シンプル・イズ・ベストです。