「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか。関根弘興です。
イエス・キリストの弟子にペテロという人がいました。彼は、いつもイエス様のそばにいました。イエス様がなされた多くの不思議なみわざや奇跡を目の当たりにしました。イエス様の語るすばらしい説教もいつも聞いていました。これだけのことを体験し続けたのですから、さぞ立派な信仰者になっていてもいいはずですよね。なぜなら、私の所にもこう言ってくる人がいるんですよ。「関根さん、やっぱりね、奇跡を見たら信じますよ。ましてや関根さんの説教じゃなく、キリストが直接語りかけてくれたら、そりゃ信じますよ」と言うのです。でもね。沢山の奇跡を見、自らも体験したペテロにとって、どうしても理解できないことが一つありました。それは、イエス様がご自身で「わたしは捕らえられて処刑される。でも復活するのだよ」と言われたことでした。いやいや、「救い主が死ぬはずはない」「私たちのイエス様こそ、ローマの圧政からこの国を再建される方ではないか」「だから、私は何もかも捨ててイエス様に従ったのだ」とペテロは考えていました。
しかし、事態は彼の思いとは真逆の方に向かっていきました。当時の宗教指導者たちの妬みによって、イエス様は捕らえられ、当時ユダヤ社会のもっとも権威のある大祭司の庭に連れて来られました。そして、でっちあげの審問が始まったのです。すると、イエス様の筆頭弟子であった、ペテロは、ついさっきまでですよ。「主よ、ご一緒なら、牢であろうと死であろうと覚悟はできております」と、言っていたのに、なんと周りの者に｢お前もあのイエスの仲間だろう」と問われると、三度も「私は知らない」と全否定したのです。
しかし、聖書は、こう記しています。「主は振り向いてペテロを見つめられた」と。実はイエス様はペテロのこの失敗をちゃんと見通しておられて、このように言われていました。「わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」と。つまり、イエス様はペテロの失敗を事前に見通しておられて、その失敗は決して無意味なもので終わるものではないのですよ、と教えられたのです。それは、「あなたが失敗しても、あなたの価値は変わらない」という大切な、大切なメッセージなのです。そのキリストのまなざしは今日あなたにも注がれていることをご存知ですか。