「世の光」の時間です。今週は愛知県名古屋市の富田キリスト教会の牧師、黒木昭江がお届けしています。
私たちは普段、心身の健康が気になりますが、聖書は、人生を健康にする秘訣を、私たちに教えてくれます。健康な人生とはいったいどんな人生なのでしょう。
聖書に訊いてみましょう。旧約聖書・イザヤ書40章31節「主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように、翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず、歩いても疲れない」。
もちろんこれはランニングやウォーキングのことではなく、試練に打ち勝つ歩みについて語っていることばです。そんな力強い健康な人生を送る秘訣はただひとつ、主を待ち望む。主とは聖書の神様のことです。神様に期待して生きるなら、私たちは新しく力を得、鷲のように舞い上がることができます。
そんな人生を生きた一人が、ヒゼキヤという人です。
ヒゼキヤは、紀元前のイスラエル国家の王です。ある時、イスラエルは敵国に攻撃されました。敵は、心理作戦でしょうか、イスラエルの国民にこんなふうに呼びかけます。「おまえたちの王の政治手腕は頼りない、王が信じている宗教も力がない、ヒゼキヤ王のもとではおまえたちは滅びる。しかしもしも我々に降伏するなら、我々はおまえたちに豊かな生活を保障する」。こんなふうにヒゼキヤは国民の前で敵から侮辱されました。ヒゼキヤはどうしたでしょうか。ヒゼキヤは、ただちに、神のことばを教える教師のもとへ家来を遣わし、この状況の中で、自分が聞くべき神のことばを求めます。さらに、自分自身は神に祈り続けました。すると、神様が、ヒゼキヤと国全体を救い出してくださったのです。
敵に立ち向かわなくてはならない。さらに、王として、国民の心と生活も守らなくてはならない。ヒゼキヤの状況は、21世紀を生きる私たちと無関係ではありません。私たちもまた、問題の中、走り続けなくてはならない日々があり、闇の中を歩み続けなくてはならない日々があります。けれどもヒゼキヤのように、神に信頼し、神に期待するのなら、新しく力を得、力衰えることなく、疲れ果てることはないのです。