「世の光」の時間です。今週は愛知県名古屋市の富田キリスト教会の牧師、黒木昭江がお届けしています。
人生はしばしば旅にたとえられます。しかしその旅は、いつでも順風満帆とはいきません。そんな旅路を歩む、聖書に登場する人々を今週は、ご紹介しています。今日、ご紹介するのはアブラハムという男性です。
彼の旅は、75歳のときに始まりました。旅のきっかけは、神様のことばでした。「わたしが示すところに行きなさい。わたしはあなたを祝福する」。これを聞いてアブラハムは、神様に従って、出発することにしました。信仰生活の冒険の始まりです。
聖書はこのアブラハムの出発について、「どこに行くのかを知らずに出て行きました」と述べています。出発したらどうなるのか、何が待ち受けているのか、全く分からなかったのです。けれども、ひとつだけ、明確に分かっていることがありました。それは、自分が従っていく相手、つまり神様という方は、信頼できる方であり、必ず自分を幸せにしてくれるということです。
このアブラハムの時代から今日に至るまで、世界中の多くの人が、アブラハムと同じ旅をスタートさせてきました。つまり、「わたしのもとに来なさい。わたしに従って来なさい」という聖書の神様のことばを信じ、クリスチャンとして生きるという冒険を始めたのです。すべての人が、信仰生活のスタートの時に、信仰のすべてを分かっているわけではありません。それどころかリスクも見える中で、それをどう乗り越えていくべきかも、全然見えないかもしれません。けれども神様は、私たちにも約束されます。「わたしはあなたを祝福する」。
アブラハムは75歳でした。もう若くはない年齢でした。しかし彼は、神を信じ、神に賭けたのです。その選択は正解でした。
ラジオをお聞きの皆様も、信仰へ進もうか、やめようか、教会へ行こうか、やめようか、悩んでおられるかもしれません。思い切って、前に進みませんか。不安はあるかもしれません。しかし恵み深い神様は、必ずあなたを祝福し、幸いな人生へと導いてくださいます。