「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか。菅生キリスト教会牧師の中山信児です。
今週は新約聖書マタイの福音書に記された山上の説教をご紹介しています。
山の上で、イエス様は大勢の群衆に向かって、開口一番「心の貧しい者は幸いです」と言われました。古い聖書の翻訳では「幸福なるかな、心の貧しき者」と訳されていますが、こちらの方がイエス様のことばの勢いをよく表しています。イエス様は様々な病や痛みに苦しむ人に向かって、いきなり「あなたがたはみんな幸いなんですよ！」と宣言されたのです。
学生時代のことなんですが、ある夏の日、自転車で峠の長い坂を上っていた時、木陰に差し掛かると、気持ちの良い風が吹いてきました。それまで照りつける日差しの下で重いペダルを漕いでいたのが嘘のような気持ちの良いひとときでした。「幸いなるかな」というイエス様の声を聞いた群衆も、日々の労苦や痛みを忘れて、ひとときの幸いを味わったのではないでしょうか。
それにしても「幸なるかな、心の貧しき者」ということばは、驚くべきことばです。これを聞いた群衆も、とても驚いたと思います。普通「心の貧しさ」は、思いやりや優しさや、ゆとりのないギスギスした心を表すでしょう。イエス様は、まったく違う意味でこのことばを使われました。イエス様の言う「心の貧しい者」は、自分の心が貧しいことを知っている人。素直に神様に祈り求める人。いろんなこだわりやプライドを捨てて、ありのままの姿で神様に求める人のことです。まとわりつく地上の重荷やしがらみを横において、素直な心で神様に近づく人に、神様は天国の恵み、天国の祝福をくださいます。
もう一度、イエス様のことばに耳を傾けましょう。「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです」
皆様の上に、神様の祝福が豊かにありますように。