「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか。板倉邦雄です。　
今日は「生まれつきの盲人（その一）」という題でお話ししましょう。「親の因果が子に報う」ということわざがあります。この世は結果があるところに原因があります。ですから、すべての不幸に対して、私たちは原因を追究するのではないでしょうか。ヨハネの福音書9章1～3節に入ります。
さて、イエス様と弟子の一行が道を通っておられる時でした。生まれつきの目の不自由な人をイエス様は、じっと見つめられたのです。その様子を見た弟子たちは、この時とばかりイエス様に尋ねたのです。「先生、この人が生まれつき盲人、目が見えないのは、誰が罪を犯したからですか。本人ですか、それとも両親ですか」。
生まれつきハンデを持ってこの世に誕生する子どもたちはたくさんいます。どうしてそのような不幸を背負ってこの世に生まれてくるのか。その原因は何か。先祖の罪やたたりか。本人が前世で罪を犯したのか。それとも「親の因果が子に報う」ことなのか。弟子たちも私たちも問う質問です。
すると、イエス様は、弟子たちが考えも思いもつかない答えをしました。「本人が罪を犯したのでもなく、また両親が犯したのでもない。ただ神のみわざが彼の上に現われるためである」。
弟子たちは、生まれつき目の不自由な人の不幸の原因は何か、とイエス様に尋ねました。しかし、イエス様は生まれつき目の不自由な人の不幸の原因ではなく、目的と意味をお答えになったのです。「ただ神のみわざが、彼の上に現われるためである」私たちの人生の苦難には、必ず意味と目的があるとイエス様は私たちに教えているのです。私たちは先祖や両親の罪や過ちを取り除くことはできません。しかし、神様と私たちが結びつくことによって、苦難や不幸の意味や目的を知ることができます。そして私たちは神の素晴らしい働きとわざを見ることができるのです。
私が高校３年生でクリスチャンになったばかりでした。Kさんという人がいました。Kさんは生まれつき目が不自由な人でした。集会で賛美歌を楽しく歌ってくれました。自分がどうしてイエス・キリストを信じたのか、このヨハネの福音書９章３節のことばから語ってくれました。「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。この人に神のみわざが彼の上に現われるためです」