ルカの福音書-117 イエスに向きを合わせて

出演者
PBA太平洋放送協会
制作
PBA太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 不安や恐れを感じているとき
  • 孤独や悲しみを覚えるとき
  • 元気をもらいたいとき
  • 一歩踏み出したいとき

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アップロード日
2022.12.02
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 5章
放送日
2022.12.02

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。
ルカ福音書を順番に読んでいます。今週は断食をしないイエス様と弟子たちを非難したパリサイ人が出てきます。イエス様は彼らに仰いました。「また、だれでも古いぶどう酒を飲んでから、新しい物を望みはしません。『古い物は良い』と言うのです。」これは、イエス様の皮肉です。「古い物は良い」ということばは、「古い物の方が穏やかだ。まろやかだ。」という意味があります。それに比べて、新しい物は口に入れたとき、古いまろやかな味わいを楽しんできた者にとってはなかなか受け入れることができない刺激があるという意味です。
今日もラジオをお聴きの皆さんは喜びに生きるほうが当然良いと思われるはずです。しかし、実際には新しい喜びに飛び込むよりも、「俺って結局ダメだよね」という古い酒を楽しむような罪を責める厳しさの中に居ることの方が居心地が良いと思ってしまう人間の現実があるでしょう。
なぜなら、古い革袋とは自分の真面目さ、一生懸命さを確保できるからです。自分の真面目にやってきた努力に信仰のスタイルの根拠を置くことができるからです。そこにはある手応えを感じ、自分を誇ることができるからです。逆にイエス様の弟子たちのように、ひたすら神の恵みを喜んでいる人を見ると、自分の真面目さをバカにされているようにすら思います。そして、私たちはすぐ手を伸ばすと手の届くところに古い革袋を置いてしまうのです。そして、古い革袋に入っているぶどう酒をぺろりと舐めるように隠れた高慢に浸っていく自分を楽しみ味わってしまうのです。
これは年齢による差ではありません。若い人だって古い革袋に生きてしまう人もいます。むしろ年齢をいくら重ねてもイエス様の与えてくださるものにしなやかでいられる人もいます。恵みを受け取りやすい謙遜さ、教えられやすい信仰とも言えるでしょう。「また、古い革袋に入れるところだった。」とすぐに気が付いていけるしなやかさです。
私たちは変えられていくことを恐れない、しなやかさを受け止めたいと思います。まだ恵みに完全に生きることができないかもしれないけれど、イエス様の与えてくださった新しい生き方に体の向きを合わせながら、しなやかに新しい革袋の人生を楽しんでいきたいと思います。

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