ルカの福音書-44

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2021.01.13
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 2章
放送日
2021.01.13

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 「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。ルカ福音書を順番に読んでいます。
 十二歳のイエス様が、エルサレムの神殿に行く記事が、ルカ2章の後半に記されています。このエルサレム巡礼の時に事件が起こりました。祭りの期間が終わり、帰る時になりました。ガリラヤからエルサレムの道中には、強盗に襲われる危険な場所があったために、女性と子どもは前の方の集団、男性は後ろの方の集団に位置しました。
 十二歳の少年のイエス様は、年齢的に女性と子どもがいる前の方でも、後ろの男性の方でもあり得たわけです。父親ヨセフは、前の方で母親とイエスが一緒にいるだろう。母は母で、父親と一緒にいるでしょうと考えた可能性があります。
 しかし、夜になって家族が一緒になった時に、息子イエスがいないことに気づいたのです。数万人にわたる大変な混雑です。「うちの子、見ませんでしたか。」子どもを見失う親にとって、どれだけの不安と緊張感だったでしょうか。
 私も、大阪の水族館で息子の姿が見えなくなった時に、全身の血の気がすーっと降りていくのを今でも覚えています。夫婦は一日をかけて歩いて道のりを戻り始め、三日間をかけて、もう一度エルサレムまで探し続けました。そして両親がイエスを見つけたのが神殿でした。神殿の境内で、イエス様は教師たちに話を聞いて質問をされていたとあります。
 当時、律法学者は、安息日や祭日には、神殿の中庭や廊下で人々の質問に答える習慣がありました。イエス様はそれに従って質問をしておられたわけです。十二歳の少年イエス様は、一生懸命に聖書を学ばれたのです。教わることに夢中になっていたのです。やがて三十歳になって、聖書、神のことを宣べ伝える人生を歩み始められたイエス様は、やがて律法学者たちと激しい論争をし、激しい批判をされました。しかし聖書そのもの、律法の専門家や先生から学ぶことをイエス様は軽んじられたりしなかったのです。むしろ、律法学者からきちんと教えを請い、わからないことは質問をし、学ぶことを大切にされていたのです。
 聖書は、子どもの頃のイエス様の子育てについては何も記しません。ただイエス様自身も、聖書を学ぼうとされたことを明らかにします。つまり、神と人とに愛される子育てとは、聖書のことばを子どもたちに教えていく必要があるのです。私たちも、子どもたちに聖書を教え、子どもたちが聖書に親しんでいき、聖書を学ぶことを喜びとしていく。そんな大切さを伝えていきたいと思います。

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