ペテロの抵抗

出演者
関根弘興
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.07.31
カテゴリ
人物・人生
放送日
2020.07.31

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「世の光」の時間です。お元気でお過ごしですか、関根弘興です。
 イエス様が逮捕される前、オリーブ山の麓にある「ゲッセマネ」という所に行かれ、これまで弟子たちが見たことのない苦しみの形相で、イエス様は苦しみもだえながら祈られました。しかしイエス様は、そこではっきりと、「ご自分が、人々の罪の身代わりのために十字架につくことこそ、神のご計画である」ということを確信し、「十字架への道」をまっすぐに進んでいかれるのです。
 イエス様がゲッセマネで祈り終わった直後のことです。近くで待っていた弟子たちに、「立ちなさい。さあ、行くのです。」と言われました。
 ちょうどその時、十二弟子の一人であるユダが、一隊の兵士と祭司長、パリサイ人たちから送られた役人たちを引き連れて、ともしびとたいまつと武器を持ってやって来ました。当時のユダヤの指導者たちは、軍隊を持っていませんでした。ですから「一隊の兵士」とはローマの軍隊で、通常は六百人の隊を表す言葉です。イエス様一人を捕まえるために、ユダヤの宗教指導者や役人だけではない、ローマの兵隊たちも何百人も動員されたというわけですね。それぞれが、ともしびとたいまつと武器を持ち、騒然とした雰囲気が立ち込めていたことでしょう。
 ユダは、イエス様を逮捕するための合図を決めていました。それは、「私が口づけをするのが、その人だ。その人をつかまえるのだ」と言っておいてからです。ユダはイエスに近づき、口づけしました。それが合図となり、辺りは騒然となったのです。
 その時、弟子のペテロが剣を抜き、大祭司のしもべに切りかかり、その耳を切り落としてしまったんです。するとイエス様は、ペテロにこう言われました。「剣をもとに納めなさい。剣を取る者はみな剣で滅びます」と。
 イエス様がなそうとする救いの御業は、武力を用いて達成するものではありません。イエス様は、自分を捕らえるために来た大祭司のしもべの耳の傷を、その場所で癒されたのです。弟子たちは成す術がありませんでした。もはや散っていくしかありませんでした。イエス様の救いの御業は、こうしてイエス様が逮捕され、蔑まされ、たった一人で「十字架への道」を歩み、なされていくのです。

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