ナルドの香油

出演者
関根弘興
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2019.10.04
カテゴリ
人物・人生
放送日
2019.10.04

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世の光の時間です。お元気でお過ごしでしょうか。関根弘興です。
 新約聖書の中の福音書には、イエス・キリストの生涯が記されています。しかし、どの福音書を読んでも、イエス・キリストの最後の一週間に最も多くのページを割いています。イエス様の最後の一週間は、昼間はエルサレムで過ごされ、夕方になるとエルサレム郊外のベタニアに戻られました。このベタニアには、以前、イエス様によって死からよみがえらせていただいたラザロが住んでいました。
 イエス様はベタニアに来られ、シモンという人の家に行った時のことでした。そこには、ラザロや姉妹のマルタ、マリヤもいました。この家のシモンは、ツァラアトにおかされていたと書かれています。これは一種の皮膚病で、当時、ツァラアトにおかされた人は汚れたものとみなされ、家族からも社会からも隔離されて生活しなければなりませんでした。
 しかし、ツァラアトが癒されて、祭司に体を見せて、癒されたことを宣言してもらえば社会復帰ができたんですね。このシモンは多分、イエス様にこの病を癒していただき、祭司のもとに行って承認を受け、自分の家に戻ってくることができたのでしょう。そして感謝のために、イエス様を食事にお迎えしたのではないかと思います。そして、近所の人たちも招かれて、感謝と喜びの宴が開かれていたのかもしれませんね。
 するとそこに、マリヤが大変高価なナルドの香油の壺を割り、イエス様に注ぎ始めました。ヨハネの福音書には、「マリヤは、非常に高価な、純粋なナルドの香油三百グラムを取って、イエスの足に塗り、彼女の髪の毛でイエスの足をぬぐった。」と書かれています。
 当時、このナルドの油は、300デナリで売れるほどの高価なものでした。1デナリが当時の一日分の労賃ですから、300日分の労賃に匹敵するほどの高価なものだったわけですね。マリヤは、自分の兄弟をよみがえらせていただき、またイエス様の語る言葉にも励まされ慰められました。イエス様への尊敬や、感謝、賛美の思いを込めて、惜しみなく高価な香油を注いだのでしょう。その香りは、家中に広がっていきました。
 イエス様が十字架につけられたこの週は、人々の偽りや企み、ねたみ、裏切り、それは人間の汚いものが溢れていました。しかし、このマリヤのこの姿からは、麗しい感謝と賛美の香りが溢れ出ています。あなたはどんな香りで、人生を満たしていきますか。

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