十戒-自由への励まし-119 欲しがってはならない

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2019.08.22
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[旧約聖書] 出エジプト記 章
放送日
2019.08.22

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 世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。聖書には十戒と呼ばれる、神と人との間に結ばれた約束があります。今日からついに、十戒の第十の戒めに入ります。
 十番目の戒めにはこう記されています。「あなたの隣人の家を欲しがってはならない。すなわち、隣人の妻、あるいは、その男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」つまり、欲しがってはならないと、心の中の感情を取り上げているのです。
 私たちは十戒を学び始める時、日本人の信仰心は、内面やたましいの領域に特化しやすいことの課題について考えました。そして十戒は、内面の事柄だけではなく、私たちの生き方の問題へと光を当ててくれるものだということを、ここまで長い時間をかけて学んできたのです。しかし、この第十の戒めは、明らかに「欲しがる」という心の問題へと、心の深みへと踏み込んでいこうとしています。
 十戒の説明をしているある書物に、ある人がこのような説明をしています。これまで述べてきた十戒の考察を通して、あたかも神が日曜日ごとに、私たちの手を取り、人間という家の中をくまなく導いて下さったかのようです。人間という家の一階から九階に至るまで、神様は私たちとともに歩みを進めて下さり、いたるところで扉を開き、窓を開け、クモの巣やカビを取り除き、「太陽よ、日の光よ、入ってきなさい」と語られました。
 しかし、この最後の戒めによって、今や神は別の階があること、言うならば、地下があることを私たちに思い起こさせて下さるのです。すなわち、人間という家には最後にもう一つ地下室があるのです。神がここで、あなたは欲してはならないと語られるがゆえに、しばらくの間、地下室、すなわち心の地下室に降りていくことが必要になります。非常に深い洞察です。自由なる生き方に招かれている私たちの最後の砦となっている心の地下室へと、十番目の教えは気づかせようとしているのです。まさに、この心の地下室を取り扱わないまま、私たちは十戒の学びを終えるわけにはいきません。第十戒は、私たちが心の奥深くに隠し、心の深いところに潜んでいるものを明らかにしようとします。まさにそこに、キリストのもたらす自由の風が心の中に吹き込み、福音の光が届く事によって、私たちの自由なる生き方が、全領域、全世界の隅々にまで行きわたることとなるのだからです。

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