十戒 自由への励まし-112 偽証してはならない

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2019.07.04
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[旧約聖書] 出エジプト記 章
放送日
2019.07.04

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 世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか。大嶋重徳です。聖書には十戒と呼ばれる神と人の間に結ばれた約束があります。十戒をはじめとした聖書の言葉は、人間を縛りつけるものではなく、自由へと導くための言葉なのです。
 十戒の第九戒は「隣人に対して偽証してはならない」です。第九戒が光を当てているのは、裁判や公の場での偽証の禁止だけではなく、個人的な陰口や中傷、うわさを流すことも禁止しています。なぜなら、日々嘘をついていると、大切な証言の際にも裁判で嘘をつく体質に慣れてしまうのだということです。いざ証言をするというときには、日常どのように生きているかがあらわれます。十戒 第九戒は、社会的な倫理性を形成するためには、個人的な倫理的生活が整えられていることが大切であることを示します。個人の倫理性が社会的倫理判断を作り上げていくこととなるからです。
 宗教改革者ルーターは、「誰でも隣人の良いうわさより、悪いうわさを聞きたがるのは悪い病気である」と言いました。まだカルバンは、「隣の家の蔵が崩れる音ぐらい、気持ちのいい音はない」とも言いました。いつの時代も、他人のアラを探すことに心を傾けることは変わらないのでしょう。人の抱えているものを暴露するという、毒のある楽しみがあるのです。
 悪口陰口を言うことは、それだけを見れば嘘はついていないということになるかもしれません。またそこには、確かに悪く言われるだけの事実があったかもしれません。しかし、本人のいるところでは言わず、本人のいない影で言うのは、本人の弁明を認めない証言となります。さらに、悪口陰口が言われている人間関係の場所に身を置くと、自分のいないときには、ここで自分についてどんなことを言われてるんだろうかという疑心暗鬼が、その人間関係にもたらされます。本人に面と向かって言わずに、陰で言われる言葉の持つ残酷さが、言われている側の心に深い傷と血を流させることとなります。悪口陰口は、正直な交わりの形成がなされることを阻む力となります。
 私たちは、愛と真実を口にしたいと思います。信頼を形成する言葉を口にしたいと思うのです。イエス様がそのようにされたように。イエス様の言葉は人を立ち上げる言葉でした。聞く者に慰めをもたらしました。生きる力をもたらされたのです。私たちが、朝にこのラジオで聖書の言葉を聞く理由は何でしょうか。それはイエス様のような言葉を語れるようになるためにです。

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