逃げ出した水夫

出演者
板倉邦雄
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 不安や恐れを感じているとき

もっと詳しく見る

アップロード日
2021.10.27
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] 使徒の働き 27章
[新約聖書] テモテへの手紙第二 1章7節
放送日
2021.10.27

いいね登録

     登録数:0

いいねリストを見る

「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。ギリシャの客船が沈みかけたとき、真っ先に逃げ出したのは船長と乗務員たちだったという事件がありましたね。今日は、真っ先に船から逃げ出そうとしたのは、水夫だったお話しです。
使徒の働き27章の続きです。パウロ一行を乗せた船は、漂流して14日目の夜になりました。地中海のアドリア海を漂っています。
真夜中ごろです。水夫たちは、どこかの陸地に近づいているように感じました。さすがはプロフェッショナルです。そこで水夫たちは、水の深さを測ってみたところ、約40メートルであることが分かりました。それから、少し進んでもう一度測ってみたら、なんと30メートルではありませんか。そこで万が一、暗礁に乗り上げて、破船しては大変だと、船の4ヶ所から錨を投げ降ろし、夜が明けるのを待ちわびていました。
そのときです。水夫たちが船から逃げ出そうと思って、船の舳先から錨を投げ降ろそうと見せかけて、救助用の小舟を海に降ろしていたのです。
それを目撃したパウロは、百人隊長と兵士たちに言いました。「あの人たちが、船に残っていなければ、あなたがたは助かりません。」そこで、兵士たちは小舟の綱を断ち切って、小舟を流れていくままに任せたのです。
素人にはわからなくても、海の男達にはわかっていました。「目の前に陸地がある。しかし、このままでは暗礁に乗り上げて、船体に水が入り、やがて沈む。救命ボートは数隻しかない。276人の救出は無理です。」となれば船から逃げ出すのが一番です。
しかし、プロの海の男たち水夫がいなければ、助かるのも助からないのです。パウロの判断とそれに従った百人隊長の決断は正解でした。救命ボートの小舟の綱を切ることは、退路を断ったことでした。
さて、「勇断なき人は事を為すこと能わず」とは、幕末の薩摩藩主、島津斉彬のことばです。西郷隆盛、大久保利通らの主君です。なにか事があったとき、勇気を持って決断できないものは、大きな業をなすことはできないという意味の言葉です。
聖書のことばです。「神は私たちに、臆病の霊ではなく、力と愛と慎みの霊を与えてくださいました。」テモテへの手紙 第二 1章7節。

コメント

番組に対するコメントはまだありません。ぜひ感想をお願いいたします。

コメントを投稿する

お問い合わせ