北陸最初の伝道者 長尾巻

出演者
岩井基雄
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 孤独や悲しみを覚えるとき

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アップロード日
2021.04.17
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マタイの福音書 5章10節
放送日
2021.04.17

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 「世の光」の時間です。お変わりありませんか、岩井基雄です。この土曜日は、歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学びましょう。一月は、長尾八之門について学び、三月は彼を導いた流刑にあったキリシタンの信仰を学びました。今日は長尾八之門の息子、長尾巻について学びましょう。
 1852年、嘉永五年に、加賀藩家老、長尾八之門の次男として生まれた長尾巻は、親孝行で加賀藩主より褒美を受けたこともありました。彼は自分の父がキリストを信じ、洗礼を受けたのなら、自分も受けたいと願ったのです。
 しかし、意味もわからずに洗礼を授けられないと言われた巻は、誠実に聖書を学び、世界を創造された神を信じ、そして、自分の心にある自己中心の罪を認めました。そして、自分の罪の身代わりにキリストが十字架で死に、よみがえってくださったすべてのことを信じ、洗礼を受けたのです。父の洗礼から二カ月後だと言われています。
 その後、巻は、この神の愛と救いを多くの人に伝えたいと、自分の人生を献げ、ウィーン宣教師の宣教活動を助け、後に、北陸最初の伝道者、そして金沢元町教会の初代牧師ともなります。当時の北陸地方は、キリスト教に対する反発が激しく、教会堂には火がつけられ、宣教師は川に突き落とされ、巻自身も、石や瓦を投げつけられ、動けなくなったこともあったのです。しかし巻は、忍耐と祈りをもって迫害に耐え、人々に愛を注ぎ続けました。
 金沢の後、愛知県豊橋で牧師として働いていた時、当時神学生であった賀川豊彦に豊かに愛を注いだのが、長尾巻家族でした。賀川豊彦は巻について、こう書いています。「彼は日常生活において、神と歩く純粋なる生活をしていた。私は彼が完全なる生けるキリスト教芸術であると思っている」と。
 また作家の三浦綾子も、「天の梯子」という本の中で、長尾巻について、「迫害と貧しさの中にあって信仰と愛に燃えていた」と記しています。巻は、愛と恵みにあふれる伝道者だったのです。
 聖書の言葉「義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人たちのものだからです。」新約聖書 マタイの福音書5章10節

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