配流キリシタンの歩み 卯辰山での忍耐

出演者
岩井基雄
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2021.03.13
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ローマ人への手紙 5章3-5節
放送日
2021.03.13

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 「世の光」の時間です。お変わりありませんか、岩井基雄です。この土曜日は、歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学んでみましょう。前回は、配流キリシタンとの出会いによってキリスト信仰へと導かれた長尾八之門の信仰を見ました。今日は、この配流キリシタンたちの、金沢での歩みを見てみましょう。
 江戸時代の最後、慶応3年、1867年、隠れキリシタンとして神への信仰を守り続け、キリスト教信仰を表明した長崎の浦上村の村民たちが、江戸幕府の指令により捕縛され、拷問をうけました。まもなく、江戸幕府は瓦解しますが、キリスト教禁止政策を引き継いだ、明治政府の手によって、浦上のキリシタンたちは流罪とされ、金沢へも送られました。これが浦上四番崩れと呼ばれる出来事でした。金沢では、やってきた500名を超える浦上キリシタンを卯辰山の山中の牢屋に幽閉しました。
 飢餓と拷問の苦しみを受け、命を落とす人も多かった浦上キリシタンたちの現状を見た一人の外国人が、その様子を英字新聞に告発しました。そのころ、欧米に赴いていた遣欧使節団は、日本でのキリシタン弾圧が外交の障害となっていた重大さに驚き、本国に打電します。それを契機に、明治6年、キリシタン禁制は廃止され、259年ぶりに日本でのキリスト教信仰が公認されたのです。
 1998年、金沢卯辰山の工事現場から、身元不明の人骨40体が発見されました。それは浦上キリシタン、死亡者の骨であるという可能性が極めて高いということがわかったのです。激しい迫害の中にあっても、信仰と希望をすてなかった、島流しにされたキリシタンたち歩みが、日本でのキリスト教公認の歩みとなり、長尾八之門をはじめ、多くのキリスト教信者を生んでいったのです。神の愛に生かされ、苦難を耐え忍ぶ人々の歩みを、神様は豊かに用いて下さったのです。
 聖書のことば「苦難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと、私たちは知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、神の愛が私たちの心に注がれているからです。」新約聖書 ローマ人への手紙 5章3節~5節
 神の愛は、あなたにも注がれています。失望に終わらない希望を、あなたも受け取りませんか。

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