クレネ人シモン

出演者
関根弘興
制作
再生時間
5min

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アップロード日
2021.02.10
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マルコの福音書 15章
放送日
2021.02.10

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 「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか。関根弘興です。
 イエス様は、自分がはりつけにされる十字架を背負い、処刑場まで歩いていかれました。その道はその後、悲しみの道「ヴィア・ドロローサ」と呼ばれるようになりました。約1キロほどの道です。
 イエス様は十字架を背負い、道の途中で何度も何度も倒れては立ち上がり、容赦のない兵隊の罵声を浴びせられながら歩いて行かれたことでしょう。
 その時でした。ローマ兵は一人の男を無理やり引っ張ってきて、イエス様の十字架を背負わせたのです。その男はシモンという名のクレネ人でした。クレネは、北アフリカの地中海に面した都市でした。そこにはユダヤ人も多く住んでいました。このシモンという人は、クレネ近郊の田舎に住んでいたようでした。彼は念願かなって、エルサレムに巡礼のためにやってきました。ちょうどその時、年に一度の最大のお祭りの過越祭の時でしたので、世界中のユダヤ人たちがエルサレムに集まってきていました。
 しかし、シモンが町に入ると、過越の祭りのせいだけではない、異様な雰囲気に満ちていました。野次馬があふれ、罵声が飛び、涙するものもあり、そこで、とんでもない光景を目撃したのです。それは何度も、よろめき倒れながら十字架を背負う男の姿でした。もちろんシモンには、それが誰なのかわかりません。せっかくエルサレムに来たのに、見たくないものを見てしまったと思ったかもしれません。
 その時突然、ローマ兵がシモンの腕をつかんで引きずり出し、「おい、お前、イエスの十字架を代わりに背負え」と命令したのです。彼はなんて運が悪いんだと思ったに違いありません。
 しかし、ローマ兵に逆らうことなどできません。周りの人目を考えてみて下さい。十字架を背負ってる人をどんな目で人は見るでしょう。「あーきっとあいつも、悪いことでもしたのではないか。きっと何かの罰を受けてるに違いない。」
 彼は必死で、私は何の関係もありませんと説明したかったに違いありません。シモンにとって、この突然の出来事は、映えあるエルサレム巡礼が、最も惨めな人生最悪の日になってしまったと思えたに違いありません。
 しかし、十字架につけられたイエス様を見た時、最悪の日が、救い主に出会った映えある日と、後に変えられていくのです。

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