世の光の時間です。いかがお過ごしですか、山本陽一郎です。先週から、クリスマススペシャルをお送りしています。クリスマスは、イエス・キリストがお生まれになったことを記念する日です。
　今から2000年以上前、マリアがイエスをみごもり、ヨセフにもそれが知らされた頃、ローマ皇帝アウグストゥスが、支配下の国々に住民登録の勅令を出しました。ヨセフもマリアを連れて、生まれ故郷のベツレヘムへと向かいました。その距離150キロ。私が住んでいる多治見から、琵琶湖を越えて京都まで行ける道のりです。身重のマリアには、どんなに大変な旅だったでしょうか。でもこれは何百年も前に語られた預言の成就でした。旧約聖書のミカ書に、ベツレヘムから救い主が出ると預言されていたのです。
　さて、ようやくたどり着いたベツレヘムですが、聖書はこう述べます。「ところが、彼らがそこにいる間に、マリアは月が満ちて、男子の初子を産んだ。そして、その子を布にくるんで飼葉桶に寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。」ルカの福音書2章6節、7節
　なんとベツレヘムには、この夫婦に泊まる場所を提供する人は誰もいなかったのです。住民登録でごった返す町の中に、マリアとヨセフの居場所はありませんでした。どうにか泊まれた家畜のための場所で、マリアはイエスを出産し、布にくるんで飼葉桶の中に寝かせました。これが世界で最初のクリスマスだったのです。
　愛の反対は、憎しみではない、無関心だと言われます。私たちはどうでしょうか。自分のこと、目の前のことで必死というときも正直あるでしょう。ベツレヘムの人々もそうだったのだと思います。でも、あなたが声をかけてくれるのを、そして、あなたが一緒にいてくれるのを待っている人がいるかもしれません。思えばキリストは、人々の無関心、居場所の無さ、寂しさの中に生まれて下さいました。この方は華やかさの中にではなく、初めから暗いところに来てくださったのです。だからこそ、私たちの現実や、誰にも打ち明けられない寂しさを、誰よりもよくわかってくださる救い主なのです。クリスマス、あなたも私たちの心を照らすために来てくださったイエス・キリストをお迎えしませんか。