聖書の人物と私たち 取税人マタイ

出演者
山本陽一郎
制作
再生時間
5min

もっと詳しく見る

アップロード日
2020.11.14
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マタイの福音書 9章
放送日
2020.11.14

いいね登録

     登録数:7

いいねリストを見る

 世の光の時間です。いかがお過ごしですか、山本陽一郎です。
 イエス・キリストの十二弟子というと、エリート集団と思われがちですが、今週お話ししてきた通り、一筋縄ではいかない人ばかりでした。マタイという人は、弟子になる前はガリラヤの取税人でした。ユダヤ人でありながら、ローマ帝国のために働き、同胞たちからは税金を取り立て、ガッツリ私腹を肥やす。そんな仕事でしたから、ユダヤ人には軽蔑されていました。
 でもそういう人物に、イエスは目を留め、ご自分の弟子として招かれたのです。マタイの福音書9章9節にこう描かれています。
 「イエスはそこから進んで行き、マタイという人が収税所に座っているのを見て、『わたしについて来なさい』と言われた。すると、彼は立ち上がってイエスに従った。」
 もしや、イエスはマタイの本当の姿を知らずに、声をかけてしまったのでしょうか。いいえ逆です。イエスは、重い現実のど真ん中で座り込んでいるマタイのすべてをご存じでした。その上で、「わたしについて来なさい」と招かれたのです。彼はその招きに応答しました。取税人を辞め、立ち上がって、イエスの弟子として新しい人生を歩み始めました。まさに、劇的なビフォーアフターです。
 でも、マタイも、いえ、私たちも同じですが、自分の思いや努力だけではなかなか人は変われません。自分のすべてを知って、受け止めてくださるイエスのまなざしと招きがあったから、マタイは新しく立ち上がることができたのです。
 彼は後に、マタイの福音書を書きます。かつて、収税所で働いていた彼の語学力や記録の力は、イエス・キリストの福音を伝えるために大いに用いられました。取税人からイエスの弟子へ、そして福音書記者へ。それは、マタイ自身も想像すらしなかった人生だったでしょう。
 マタイという名は、神の贈り物という意味です。まさにそのとおりの人生を、彼はプレゼントされました。イエス・キリストは、新しい人生への招待状を持って、私たちの前にも立っていて下さいます。「わたしについて来なさい」と。
 座り込んでいませんか。私たちも立ち上がって、ついて行きましょう。

コメント

番組に対するコメントはまだありません。ぜひ感想をお願いいたします。

コメントを投稿する

お問い合わせ