ルカの福音書40-悲しみを知っているから

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min
タグ
  • 孤独や悲しみを覚えるとき

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アップロード日
2020.11.06
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 2章
放送日
2020.11.06

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 世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。
 今週の聖書の箇所には、84歳の女預言者アンナという人物が出てきます。彼女は七年間の結婚生活をした後に、夫に先立たれ、毎日神殿に出かけ、祈りをなしていた人でした。84歳という人生は、どれほどの人生なのでしょうか。アンナは、夫が先に召されるという人生の悲しみを知っている人でした。聖書の書かれた時代において、夫を先に天に送り、やもめとして生きることは大変なことでした。別の聖書の箇所では、夫に先立たれた女性へのアドバイスに、大酒のとりこにならないようにと記されています。自分の人生に、突如として起こった悲しみと辛さの中で、酒を飲まないとやっていられない状況が、夫に先立たれたやもめたちの中にあったことがわかります。
 人生の悲しみを知っている人だからこそ、語る言葉に力を持つことがあります。誰もわかってくれないと思うさびしさのただ中で、「あなたのその辛さは、私もわかるわよ。だって、私も同じところを通ったんだから」と、自分と同じ悲しさを通った人生の先輩が語るからこそ、届くことのできる慰めがあるのです。
 また彼女は、子どもがいたとは記されていません。7年の結婚生活の間に、子どもが与えられなかったのでしょうか。再婚することも考えられたでしょう。しかし彼女の人生の残りを、神殿に来る孤独で悩む人のために、祈り、慰め、神に仕えることを彼女は選び取ったのです。
 イエス・キリストの贖いを必要としている人々に寄り添う生き方を、彼女は神様から託されたのです。悲しみを知っている人だからこそ、悲しむ者と共に悲しむことができる。そして人生の悲しみは、神様から受ける慰め以外に本当の解決はないことを知って、彼女は祈ることに生活の丸ごとを、人生の丸ごとを使ったのです。
 これは、どれだけ豊かな人生の用い方であったでしょうか。彼女は神殿で祈りながら、気がついたのです。ああ、次はあの人に声をかけないと、あの人に祈っているよ、一緒に祈ろうと伝えに行こうと。
 皆さんはいかがでしょうか。悲しみを知っているあなただからこそ、一緒に祈ろうと言ってあげられる人がいるでしょうか。また、もし祈ってほしいと願う人はいらっしゃるでしょうか。
 ラジオをお聴きの皆さんの悲しみをわかってくれる人が、キリスト教会にはいます。ぜひ教会で、アンナのような人と出会って欲しいと思います。

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