ルカの福音書35

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.10.01
カテゴリ
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 2章
放送日
2020.10.01

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 世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。ルカ福音書を順番に読んでいます。今朝の聖書の箇所にはアセル族のパヌエルの娘で、女預言者アンナという人が出てきます。
 女預言者という働きは、実際はどのようなことをしたのか、彼女は何を預言したのかは記されていません。記されているのは一緒に暮らした夫と死に別れ、84歳になっていたということです。結婚期間7年の後に、一人暮らしを続けていた女性でした。
 彼女は宮を離れず、夜も昼も断食と祈りをもって神に仕えていたとあります。「宮を離れず」とありますが、当時、熱心な市民は、朝の9時の祈り、昼の3時の祈りに、仕事の手を止めて神殿に行き、祈りを献げていました。アンナもまたそのように、神殿に通う祈り手であったのです。しかも、祈りに専念するために食を減らしたり、ある願い事のためには食事を断って祈ることもあったと記されています。まさに生活丸ごとで、彼女は神様に仕えていたのです。
 私は牧師になって二年が経とうとしています。振り返って、私の心の支えになってきて下さった方々は誰かというと、「先生、祈っているよ」と朝の祈祷会に来て下さる高齢の方々の存在です。朝の祈祷会が始まるのは十時半です。しかしもう九時半ごろから楽しそうにおしゃべりをする声がしています。讃美歌を並べて、座布団を並べて、祈祷会に来る他の人を待っていて下さる。
 「先生、早くきちゃった」と、毎週、早くきちゃう人生の大先輩が、礼拝で私の背中をさすってこう言って下さるのです。「祈っているよ」と、その言葉は決して口だけではなく、確かに覚えて祈ってくださっている。講壇に立つと、決まった席に必ず座っておられる方々の存在に、どれだけの励ましと慰めを覚えてきたでしょうか。祈りに来る。礼拝に来る。このことが、どれだけあたりまえのことではないかということを思います。歩いて教会に来るということが、どれだけ大変なこととなっていくのか。
 私と同じように神殿の若い祭司たちは、どれほどアンナに励まされたかと思います。早くに夫を亡くした女性にとって、どれだけの助言をアンナはしてあげられたでしょうか。歴戦の祈り手が教会にはとても必要です。私もアンナのような年の取り方をしたいと思います。神の前に進み出て、祈りに専念する老後。なんと尊い人生でしょうか。次回は11月2日から、続けてアンアのことを学んでいきたいと思います。

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