裏切りの引き金-2

出演者
関根弘興
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.08.21
カテゴリ
人物・人生
放送日
2020.08.21

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「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか、関根弘興です。
 イエス様は、当時の宗教家たちの妬みのゆえに、逮捕されてしまいました。その手引きをしたのが、イエス様の弟子の一人であった、イスカリオテのユダでした。しかし、どうしてユダは、イエス様を裏切る事になってしまったのでしょう。その原因の一つは、前回お話ししたように「貪欲」でした。
 そして二つ目は、「嫉妬」です。弟子たちの最大の関心事は何かというと、「この中で誰が一番偉いのか」ということでした。互いに「我こそが一番弟子だ」と、競い合うような思いを持っていたんですね。そして聖書を読むと、特に、ペテロとヤコブ、ヨハネの三人だけが度々選ばれて、イエス様とともに、特別な場所に行ったり、特別な経験をしたりすることがありました。もしかすると、ユダはそうしたことに不満を思っていたのかもしれません。
 イエス様は、えこひいきなさるような方ではありません。しかしユダは、他の弟子たちの方が特別扱いされていると勝手に思い込んで、嫉妬していたのかもしれませんね。
 そういう思いは、私たちが生きている場所ではどこにでもあるように思うんですね。でも、その思いに支配されてしまうと、何も良いものを生み出すことができません。神様は、私たち一人ひとりを同じように深く愛し、一人ひとりに、最もふさわしい役割を与えてくださっていることを、いつも思い起こすことは大切です。
 そして裏切りの引き金の三番目は、「失望」でした。信頼していた人が、自分の期待していたような働きや行動をしてくれなかった時、人は失望しますね。ユダは、イエス様がローマの圧政から救い出し、自分たちの国を打ち立ててくれることを、期待していたようでした。そのためなら、命を捨てても惜しくないと思っていたはずです。
 しかし、イエス様には一向にその気配がありません。ローマ政府に抗議するでもなし、戦いの準備をするわけでもありませんでした。それどころか、「わたしは人々の手に引き渡され殺される。しかし殺されて三日の後によみがえる」などと話しているわけですね。ユダは、自分が抱いていた救い主像と違うイエス様の姿を見て、だんだん失望していったのかもしれません。
 私たちも神様が、自分の期待通りにしてくださらないと、失望して、もう信じていても無駄だと思ってしまうことがありませんか。でも、知っておいてください。イエス様を信頼する一人ひとりに対して、時には、失望は襲いますけれども、決して、イエス様は失望に終わらせる方ではないのです。

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