裏切りの引き金-1

出演者
関根弘興
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.08.14
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ヨハネの福音書 12章
[新約聖書] ルカの福音書 12章15節
放送日
2020.08.14

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「世の光」の時間です。お元気でお過ごしでしょうか、関根弘興です。
 イエス様は、当時の宗教家たちの妬みのゆえに逮捕されてしまいました。その手引きをしたのが、イエス様の弟子の一人であったイスカリオテのユダでした。しかしどうしてユダは、イエス様を裏切る事をしてしまったのでしょう。その原因としていくつかのことが考えられると思います。
 一つは「貪欲」です。イエス様一行がベタニアにいたとき、マリアという女性が高価なナルドの香油をイエス様に注ぎました。そのときのことがヨハネの福音書12章に書かれています。このように書かれているんですね。
 「弟子の一人で、イエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが言った。『どうして、この香油を三百デナリで売って、貧しい人々に施さなかったのか。』彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではなく、彼が盗人で、金入れを預かりながら、そこに入っているものを盗んでいたからであった。」こう書かれているんです。
 つまりユダは、香油を売ったお金で、自分が盗んだお金の穴埋めをしたいと思っていたというわけですね。ユダは祭司長たちに「イエスを売るとしたら、いくらくれますか」という、意地汚い談判もしています。そのときユダに支払われたのは銀貨30枚ですが、当時の銀の重さに換算すると、約450グラム程度です。今の価格ですと1g 60円とすれば合計27,000円です。そんなわずかな額によって、ユダはイエス様を引き渡したということになるわけですよね。
 でもどうでしょうか。これは決してイスカリオテ、ユダだけの問題ではないように思います。人とは、小さな小さな欲のために心を変えてしまうような弱い存在です。そして小さな欲が積み重なり、それが段々エスカレートして、一生を破壊してしまうこともあるのです。ヤコブの手紙1章 14節にはこう書かれています。
 「人が誘惑にあうのは、それぞれ自分の欲に引かれ、誘われるからです。そして、欲がはらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。」こう書かれています。
 イエス様は、ルカの福音書12章15節にも「どんな貪欲にも注意して、よく警戒しなさい」と言っておられます。誰もがいろいろな欲を持ちます。しかし問題は、その欲に支配され、小さなものが膨れ上がってしまうことのないように、私たちは自分自身の心を見張るものでありたいですね。

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