地方総督ガリオ

出演者
板倉邦雄
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.07.07
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] 使徒の働き 18章
放送日
2020.07.07

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。今日は「地 方総督ガリオ」という題でお話ししましょう。
昔から、宗教と政治の間には様々な問題が起こりました。日本でも七十五年 前、政治と宗教が一体になっていましたね。今から二千年前のギリシャのコリ ントでも、政治と宗教の問題が起こりました。使徒の働き 18 章です。
さて、パウロ伝道チームは、ギリシャのコリントの町に腰を据えて伝道を展 開していました。その頃、コリントの町がありました、ギリシャのアカイヤ地 方に、新しくローマの地方総督が就任しました。名前は「ガリオ」といいまし た。
これ幸いと、パウロをおもしろく思っていないユダヤ人たちは、徒党を組ん でパウロを捕まえて、彼を、地方総督ガリオの管轄するローマ法廷に引っ張っ ていって訴えたのです。
「この人は、私たちの信奉するモーセの律法にそむいて、イエスなるものを 神として拝むように、人々をそそのかしているのです!」
とにかく、あるユダヤ人たちにとっては、パウロの伝道をコリントでするの を止めさせたい、そしてこれから、アカイヤ地方どこにおいても伝道できない ようにしたいのです。ですから、地方総督ガリオに訴えたのであります。
すると地方総督ガリオは、訴え出たユダヤ人たちに言いました。
「ユダヤ人諸君、何か不法行為とか、悪質の犯罪とかの訴えなら、わたしは 当然、諸君の訴えを取り上げよう。しかし、今回の訴えは、諸君の信じる言葉 や名称、そして宗教的な律法に関する問題なのだから、諸君みずから始末する のがよかろう。わたしはそんな事の裁判人になりたくはない。」こう言って、訴 え出たユダヤ人たちを法廷から追い払ったのです。
ローマ法は、不法行為や悪質な犯罪に関して取り上げます。しかし、人の心 の問題、すなわち宗教の問題に対しては取り上げないし、また取り上げられま せんでした。このガリオという地方総督は、賢明で筋が通っていました。政治 と宗教、思想の分離は、私たちの社会生活にとってとても大切な原理であり、 法則ではないでしょうか。国家が、私たち人間の信じる自由や信じない自由を 侵してくるとき、問題が起こり、逆に宗教が国家や政治と結びつくとき、悲し い悲劇的な歴史を繰り返していくのではないでしょうか。

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