「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか、板倉邦雄です。
今日は、アキラとその妻プリスキラ夫妻が、ギリシャの町、コリントでのパ ウロの開拓伝道を夫婦揃って支えたお話しをしたいと思います。使徒の働き 18 章に入ります。
さて、伝道者パウロは、アテネを去ってコリントの町へやってきたのです。 コリントの町も、アテネと並び貿易と商業の町として栄えていました。当時コ リントと言いますと、淫乱と好色、そして不道徳の町と呼ばれていたのです。 そのコリントの町で、パウロはアキラというユダヤ人と、その妻プリスキラと に出会いました。
その頃、ローマ皇帝クラウディオス帝が、「すべてのユダヤ人をローマから退 去させるように」という命令を出していたのです。そこでアキラとプリスキラ 夫妻は、最近イタリアから出て、ギリシャのコリントに滞在し、天幕作りの仕 事をし生活していました。
伝道者パウロはコリントの町へ来たものの、伝道費用が底をつき始めたよう です。生活のためにと仕事を探していました。天幕作りの出店を発見したので す。天幕作りとは、動物の顔をつなぎ合わせたテント作りのことです。店に入 ってみますと、同じユダヤ人でしかも信仰深い、自分と同じ天幕作りをする同 業者でした。
パウロはアキラとその妻プリスキラとの出会いによって、安息日毎にユダヤ 人の会堂で礼拝を献げ、ユダヤ人やギリシャ人の説得につとめ、神の国の福音 を述べ伝えることができました。
ここから大切な教訓があります。それは主なる神様は、この世界の歴史の中 に働いておられるということです。当時のローマ皇帝が、すべてのユダヤ人を ローマから退去命令を出しました。アキラとプリスキラ夫妻にとっては、まさ かという出来事であり、辛い試練だったのではないでしょうか。
ところが、ギリシャのコリントの町で伝道者パウロに出会うのです。そして パウロの開拓伝道を手伝い、協力する家族となりました。私たちの人生の歴史 に偶然とか意味と目的のない試練はないのです。
聖書のことばです。「神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって 召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私 たちは知っています」ローマ人への手紙 8 章 28 節