ルカの福音書 15-この身になりますように

出演者
大嶋重徳
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.05.14
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] ルカの福音書 章
放送日
2020.05.14

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「世の光」の時間です。いかがお過ごしでしょうか、大嶋重徳です。ルカ福 音書を順番に読んでいます。今朝は有名なマリアの受胎告知の箇所です。
天使はマリアの傍に入って来て言います。「おめでとう、恵まれた方。」当然 「マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考 え込んだ。」とあります。
すると天使は言いました。「あなたは今、妊娠をしていて男の子を産みます。 しかもその子は『イエス』という名をつけられ、王位を継ぐ存在となります。」
しかしこのとき彼女には、結婚を約束していたヨセフがいました。相手は真 面目な人でした。結婚の前の体の関係をお互いまだ持っていない、互いにきよ さを求め、結婚の日を待っていました。そのヨセフに、「今日ね、天使ガブリエ ルが現れて、私、聖霊によって身ごもっちゃったんだよね」と言って、ヨセフ が「ああ、それはよかったね」と受け止めてもらえる話ではありません。二人 の関係は破談になることは間違いない。
しかし、ここで平気でガブリエルは「おめでとう、恵まれた方」と言うので す。ここにキリスト教信仰の独特な性格が表れています。つまり「恵み」とは 何かということです。私たちが最悪の事態だと思って当たり前のことの中に、 神の恵みがあるのだと聖書は語るのです。
思い出したくもない過去の痛み、裏切られ、傷付けられた親子関係、友人関 係。あるいは押し付けられた会社での失敗、それらの中に神の恵みがあると言 われても、「一体どこにあるんだよ」と思います。そして、マリアと同じく叫び たくなる。そのような事態の中にあって、キリストにある神の恵みが輝き出る ことが起こることを、この物語は教えています。
恵みということは、神からの賜物という意味です。人間の物差しではわから ないものです。そして恵みとは、私たちの欲しいものばかりではありません。 神様は時に、私たちが一番手にしたくないものを、恵みとして与えられるので す。しかも、「おめでとう」と言う、何の悪気もない言葉とともに。そこで私た ちは戸惑います。しかし、そのような戸惑いながら受け取ったものに、自分の 計画では思いもつかない、大きな喜びをもたらすものであるということを、や がて、私たちは知っていくのです。
あの出来事があったからこそ、今私は神と出会えた。皆さんのなかにもそう いう出来事があるのではないでしょうか。そういう受け取りたくない恵みに対 して、受け取り慣れていくことが必要です。そしてそこから、何が私の人生に 起こっていくのだろうかと、ワクワクしながら人生を待つ。この待つ時間、待 っている心にこそ、信仰の輝きが現れていくのです。

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