「世の光」の時間です。お聴きくださりありがとうございます。羽鳥頼和で す。
「ソロモン」という王のことをご存じでしょうか。聖書を読んだことのない 人も、「ソロモン」という名前を聞いたことがあるかもしれませんが、伝説上の 人物と思っておられる方が多いのではないでしょうか。
しかしソロモンは、実在の人物であり、聖書には、実在したソロモンがどの ようなことを行ったのかが記されています。それはいわゆる「英雄物語」では ありません。聖書は、ソロモンの悪い所も語っています。今日から三回にわた って、ソロモン王についてお話しします。一回目の今日は、旧約聖書の列王記 第一 3 章からお話しします。
3 章には、ソロモンが神から知恵をいただいて、イスラエルの国を正しく治め たことが語られています。ソロモンはどのようにして知恵を手に入れたのでし ょうか。王となったソロモンは父ダビデ王と同じように、神を愛し、仕えよう としました。
ソロモンは千匹の全焼のささげ物を神にささげました。するとその夜、神が 夢の中に現れて言われました。「あなたに何を与えようか。願え。」それでソロ モンは言いました。「神様、あなたは、このしもべを王としてくださいました。 どうぞ、私が善悪を判断して、あなた様の国を正しく治めるために知恵をしも べに与えて下さい。」
その願いは神の御心にかない、神はソロモンに知恵を与え、さらに富と誉れ をお与えになりました。どうして神はソロモンに知恵を与えたのでしょうか。 それは、彼の願いが神の御心にかなったからです。なぜソロモンは神の思いと 一致することができたのでしょうか。それは、願う前のソロモンの姿勢にあり ます。
ソロモンは、神を愛し仕えようとしていました。その姿勢は、全焼のささげ 物を神にささげることに表されています。ささげ物をささげることは、神への 礼拝でした。そして特に、全焼のささげ物は、神に仕える献身の意思を表すも のでした。ソロモンは神を愛し、仕え、礼拝をささげることによって、神の思 いにかなうことを願うことができたのです。