小さな存在を支え続けた 大原孫三郎 2

出演者
岩井基雄
制作
PBA 太平洋放送協会
再生時間
5min

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アップロード日
2020.03.30
カテゴリ
人物・人生
聖書箇所
[新約聖書] マルコの福音書 10章45節
放送日
2020.03.30

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「世の光」の時間です。お変わりありませんか、岩井基雄です。 月の最後の月曜日は、歴史の中を歩んだクリスチャンの生涯から学んでいま すが、今日も「小さな存在を支え続けた 大原孫三郎」について学んでみましょう。 かつては放蕩の限りを尽くしていた孫三郎でしたが、日本初の孤児院の創設者で、クリスチャン石井十次との出会い、彼を通してキリストにある救いを受 け取ります。自らクリスチャンとなった孫三郎は、自分にできる限りの愛を小 さな存在に注ぎ、父から受け継いだ倉敷紡績の社員たちの労働、居住、医療環 境を改善し続けました。そして、会社の利益のほとんどを日露戦争などで増え た孤児を救うための支援に使ったのです。
彼の口癖は、「ワシの目は十年先が見える」だったそうです。彼は、キリスト の愛を基盤として、十年先、いや、さらに先を見て神の愛を現わし続けたので す。それに先立ち、彼は工場内に尋常小学校を設立、さらに現在の倉敷商業高 校も設立し、働きながら学ぶ工員の教育を支援します。さらに、学びたくても 資金がない子弟のために、大原奨学会を開設します。将来を見据えての人への 投資も彼は大胆でした。後に大原美術館の礎となるコレクションを集めた洋画 家、児島虎次郎もこの奨学金で学びました。
児島虎次郎はベルギーの美術学校を首席で卒業、そのあとヨーロッパの各地 で名画を見て回る中、スペインの画家エルグレコ作の「受胎告知」という絵と 出会い、感銘を受けます。法外な値段でしたが、孫三郎はその購入を助けるの です。美しいその絵には、神の御子が人となられた恵みを語る御使い、そして 母として用いられるマリアの、神への献身のまなざしが描かれています。この 絵は後に、大原美術館の代表的コレクションとなります。
キリストの愛を通し、倉敷を東洋の聖地にしたいと考えていた孫三郎は、神 の在りかたを捨てたキリスト、その愛に応答する責任としての献身をその絵に 見たのかもしれませんね。その絵の存在が、倉敷への空爆を避けさせたとも言 われています。
聖書のことば「人の子も、仕えられるためではなく仕えるために、また多く の人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるために来たのです。」新 約聖書 マルコの福音書 10 章 45 節
私たちもまた、自分に与えられているものを、他の人のために用いていきたいと願います。

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